吹抜けは安易に作ると怖い
本日は富士市の新築注文住宅現場から。
2階に桧の床板が貼られました。
右は吹抜けが見えますが、よく見ると、ステンレスの棒でバッテンがあるのがおわかりいただけると思います。
上の写真で、左の方には階段があります。
階段というのは床がありませんので、実は吹抜けと同じです。
そうなると…
こんな感じで、模式的に黄色で示してみましたが、二階の平面図だと思ってください。
階段だけの場合と、階段と吹抜けがある場合、どっちの平面がより強いかは一目瞭然ですね。
床にも、壁と同じく、いやむしろ壁よりももっと、強度が必要です。
床が丈夫で初めて、あちこちにある壁の強度が一体として建物を守ります。
床が丈夫ではないと、壁がいっぱいあるところは強く、南側など窓が沢山で壁が少ないところは弱くなってしまい、弱いところばかりが揺れる、つまり、地震の際に建物にねじれる力が生まれてしまいます。
これは家を破壊する大きな力となります。
これは床の破壊実験の様子(日経ホームビルダー記事より)ですが、28ミリの構造用合板で二階の梁を固めていても、力をかけてゆけば、いつかはこんなふうに壊れるわけです。
実際にはこの破壊実験のような力は地震の際に建物には加わりません(もっと別のところに別の力が加わるので)が、床だって強度が必要なのはこういう写真を見ると感じますよね。
じゃぁ、「吹抜けなんて作っちゃダメ!」ではありません。
「吹抜けを作るのに構造計算して安全性を確かめないなんてありえない」
ということです。
ちゃんと安全性を確かめれば、何の問題もありません。
光と風の通り道でとても気持ちがよく、開放的です。
2021年04月27日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。