桧は腐って危険なのか?
昨日は、「ウッドデッキを腐らせない技術」というタイトルで、マクス事務所スタッフの塗装の様子をお伝えしましたが、ちょうど、定期購読している業界紙「日経ホームビルダー」という雑誌に、
「シロアリに強いヒノキ神話は本当か?」というタイトルで実験リポートが掲載されていました。
ビーカーに様々な木と、シロアリを入れて飼育し、どれぐらい食害があるかを調べたもの。
「実証されたヒノキ信仰の崩壊」
と書いてありますが、肉眼では、杉が一番被害がなく、スギ→ヒバ→ヒノキ→マツの順に被害が大きい!と書かれています。
いやいやいや…(汗)。
こういう雑誌もそうですし、特に、TVの情報番組とか見ていて常々思うんですが、メディアの制作の方々って、文系が多いのかなって。
文系批判ではなく、少なくとも情報として発信する以上は
【少しは「統計学」に則りましょう!】
と思うのです。
少なくとも、樹種の違いを「実験」するなら、多少面倒でも、サンプルは5つ。
実験後、5つのうち、最大値と最小値を示しているものは外し、
残り3つで平均値と標準偏差を求める。
少なくともこれやらないと、統計学的に数字が意味を持たない。
そう「たまたま」って現象を否定できず、「有意差」が出ないんです。
かくいう私も学生時代、実験の発表でグラフをスライドにすると「んなのサイエンスじゃねぇ!」と教授に怒られたくちですから、、Blogとして発信するならちゃんとやれよって話で、偉そうに言えたもんじゃぁございません。
けれど、こういう雑誌を持って、
「ほら、ヒノキより、スギのほうがシロアリに強いんですよ!」
「スギは、ヒバより強いんですから!」
みたいな営業マンに、使われちゃうんです。
ヒノキだって、普通にシロアリに食べられることくらい、実務者なら誰だって知っています。
けれど、(芯材か否か、赤身か白太か、樹齢や地域などはおいといて)やっぱりスギよりヒノキがシロアリに強い事も経験上知っています。
大事なのは、昨日も書きましたが、その経験を踏まえ、
「どうやったら、もっと長持ちできないか?」
を考えること。
こういう技術も素晴らしいのですが、やっぱり、木の気持ちよさ、マクスは好きなんです。
昨日塗装した木材、出番を待ってます。
あ、別に、日経ホームビルダーをディスってるわけじゃないです。根に持ってるわけでもないです。昔から楽しんで読んでます。これからも頑張ってください。
2020年05月22日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。