天窓を南側に設置しなかった理由
Vol. 3,845
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
本日は富士市で工事中の「方形の家」から。
ちょっと前になりますが、
というクイズをブログに書きました。
「その答えは、構造見学会にて」
としておりましたが
構造見学会も終わりましたし
お施主様にも答えを内緒でしたので(笑)
本日はその答えです。
天窓は北側に向いています。 ↑
(図で太陽がある右が南、富士山が有る左が北)
「富士山が見えるから北に付けた!」
という答えが会場で上がりましたが
角度的に、見えませんね。
以前書かせていただきましたが
「ヒートチムニー」
と言って
夏に【熱を排出して室内を快適にする】
というのが一番の狙いです。
熱い空気は軽いので
家の一番高いところに窓があれば
勝手に出てゆく。
出ていった分は、外の空気が入ってくる。
これが重力換気。
ヒートチムニー(熱の煙突)の力。
じゃぁ
どうせなら南にあればいいんじゃない?
たしかに冬は ↑
こんな感じで室内がより明るくなるかも。
でも夏は…
太陽高度が高いので軒に遮られて
日は入らない。
まぁ、入ってきたら熱いですけど。
むしろ夏は、北側から日が昇るので
朝、明るいですね。
で、答えなんですけど
「夏のことを考えると、南側に付けたくない」
んです。
その理由は…
【夏の卓越風】
卓越風とは、その地域、その季節に
より多く吹く風向きのこと。
季節風とほぼ同じ意味ですね。
参考ブログ
【静岡県東部の卓越風を考えて設計する】
富士市では夏、南風が卓越風となります。
夏場の屋根は、火傷するほど熱くなります。
70度とか場合によっては80度近くなることも。
そこに南風が吹くと…
もし天窓が南に向いていれば
そこから入ろうとする熱風のせいで
中から重力換気で逃げようとする空気は
窓の外に出られませんよね。
当然風のほうが強いので。
これだと、ヒートチムニーが
威力を発揮できない。
だから、天窓を北側に設置したんです。
いかがでしょう?
夜はお酒飲んで、ぐてぇ~となってますが
昼間、シャキッとしている時に設計すると
じつは、こんなところまで考えているのです(笑)
こちらのモデルハウスも
昼間、真剣に設計しました!
2022年01月25日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。