静岡県東部の卓越風を考えて設計する
「六甲おろしに 颯爽と蒼天翔ける 日輪の~」
はぃ、おなじみの阪神タイガースの応援歌。
プロ野球はほぼ見ない私でも知っています。
六甲おろし(颪)とは、冬季に神戸市の北側に位置する六甲山系から吹き降ろす風のことを言いますが、「地方風」と言って、地域によって特別な性質の風が各地にあり、それによってその地域独特の農産物や生活習慣が生まれたりしますね。
静岡でも、県西部の「遠州の空っ風(冷たい北風)」は有名。
フェーン(アルプスの南風)・ブリザード(北米の地吹雪)など、現在は一般的に世界で使われる気象用語も、もともとはその地域特有の風から来ているそうです。
さて、マクスがある富士市、そして20kmほどしか離れていない三島市。
県外の方のためにグーグルマップを。
左が富士市で右が三島市。
たった20kmで、風の特徴って変わるのでしょうか???
下記は、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構のHPからデータを抜粋させていただいたものです。
上の図で、上段が風速、下段が気温。
赤が起居時で、青が就寝時。
こうしてみると、夏の三島市が暑い(指差している所)のが分かります。
これは、毎日の天気予報からも、「三島は暑いんだよねぇ~」と県東部の人は納得することですね。
それ以外には特別な違いは感じられません。
では、風向きはどうでしょう?
これは「風配図」と言って、どちらの方角から風が吹くかを示したものです。
冬がないのですが、
富士市では、日中は、春夏は南風、秋は北西の風、
三島市では、東西から風が吹く、
のが分かります。
もちろん、建物の立地条件でこれらは変わるのですが、こういうのを知った上で、窓の位置を設計すると、風通しの良い家になりますね。
ただし!
東大の前教授の発表ににりますと、一年を通し、快適な時間というのは、
・暖房した方が快適な時間:60.4%
・冷房又は除湿したほうが快適な時間:29.9%
・何もせずとも快適な時間:9.3%
で、
窓を開けると快適になる時間は0.4%しかない
という報告もあります。
ですから、とにかく窓作っとけばいい!というわけではないのです。
2020年02月19日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。