古材で家を建てたい方に見て欲しい大工の苦労-後編
Vol. 3,826
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
昨日に引き続き
富士宮市の布屋呉服店さんの建替え工事前の
ケヤキの古材の加工の様子です。
「新築で古材を使いたい!」
なんて思われる方もいらっしゃるかと思いますが
やっぱり、デメリットもあります。
【構造上の強度が担保できない】
木材は、時が経つほど固く強度を増す
とも言われますが
割れや腐りなど熟練した大工の目でしっかり
見ないと、強度が甚だしく低い古材も存在します。
こういう傷んだ部分はカット。
どこまでが使えて、どこからは使えないか
見誤ってはいけません。
【とにかく、高くなる】
更に大きなデメリットがこれ。
古材=中古=だから安い
では、絶対にありません。
新品の製材の方が、絶対に安い。
とにかく、加工の手間ひまがかかるんです。
ということは、
大工の人件費がかかっちゃうってこと。
以前建てさせていただいた
富士市の「ケヤキ梁の家」の加工でも
まぁ経営者としては
コスト的にエライ目にあっちゃった(笑)。
楽しかったから結果オーライだけど…
なぜ、古材の加工が大変なのか???
それが本日のお話。
ずばり、めっちゃ反ってるから。
「墨つぼ」
という大工道具で、反った材料に
「真っ直ぐな線」
を付けます。
それをもとに加工をしてゆきます。
現代技術のレーザー墨出し機も使いながら。
白い墨が古材の欅に浮き立って
なんだかこのままでもカッコよくないです?
でも…
この美しいケヤキ独特の木目を
より美しく見せるため、表面を削って
きれいな肌を出します。
この様な作業が、古材ではすごく大変なんです。
もちろん、デメリットだけではない。
長く生きてきた木材に
敬意を持って再利用することは
スピリチャル系苦手な私でも
なんとなく…
前の建物から受け継がれるその建物の魂
みたいなものが宿り
その家を守ってくれるような気はしますね。
このケヤキの大梁の上棟風景は
もちろんブログでご紹介しますので
ぜひお楽しみに!
そして最後はCMです。
やっぱり家づくりは「魂」とかの精神論より
「正しい理論と正しい施工」です(笑)。
それがわかるのは構造見学会です!
2022年01月11日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。