制震ダンパーを取付ける意味
本日も、富士市の新築注文住宅現場から。
社員大工の宮崎が制震ダンパーを取り付けています。
建物に制震性能をもたせる場合は、「時刻歴応答解析」という計算をして、所定の箇所に取り付けます。
このオイルダンパーの場合、この建物なら20~30ヶ所近くは必要になります。
ただ、今回取り付けるのは、3ヶ所。
これは、「制震」性能をもたせよという意図ではなく、設計者である私の「精神」的な安心のためです。
というのも…
これは、以前「大工工務店の会」という、社員大工を有する工務店の仲間と、自主的に実験をした際のものですが、【地震に耐える壁=耐力壁】が、実際にどれくらい強いのか、大きな力が加わった際にはどんな壊れ方をするのか、を調べたものです。
木造住宅の大家、山部先生(上写真左)の監修のもと、自社が使用している耐力壁(モイスTM)の破壊実験をしたのですが、
ちゃんとメーカーの言う性能値はでたものの、
「うーわ、こんな壊れ方するんだ…」
と恐ろしくなったからです。
確かに強いのですが、限界を超えて破壊される時は、「脆性破壊」と言いまして、一気にもろく壊れます。
そこで、一階の南側のように、窓が多く、少ない耐力壁が多くの力を負担しなければならない場所に、「オイルダンパーの揺れを軽減する力で粘り強さを持たせよう」というのが狙いです。
基本はあくまでも構造計算による耐震性の確保。
その上でのプラスアルファとしての安心。
この制震ダンパーで、設計者の私は精神的に安心して眠ることが出来ます。
自発的に取付けているので、お施主様への誠心です。なんちゃって。
28日の構造見学会では、動画も使ってもう少し分かりやすくご説明させていただこうかと思います。
構造見学会と、来月の裾野市の完成見学会のご予約は、下記よりお願いします。
2021年03月18日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。