Jパネル工場見学
先日、マクスで使っているJパネルという三層杉集成板の工場見学に行って参りましたので、その様子をご紹介します。
伺ったのは、島田市の丸天星工業さん。
静岡県大井川流域の杉の原木が積まれています。
それでは早速、その製造工程を見てみましょう。
Jパネルは、杉板を、「縦+横+縦」と、三層に直交させたパネルです。
なので、【幅方向に繋げた一枚の板を作り、それを三層にする】ために、まずは大量の板を作ります。
写真は原木を平板にスライスしているところです。
よく見ると原木の横に赤く見えますが、レーザー光線をあて、どの向きでスライスするのが一番歩留まりが良いかを、機械が瞬時に判断し、軸をずらしたり回転させたりして、カットしてゆく様は、お見事!という感じです。
スライスされた板は、こちらに運ばれ、パソコンが画像処理(画面に板の画像が出ています)。
両側の丸い部分、いわゆる板の耳を、これまた最も歩留まりが良い幅を機械が考えてカットします。
分かりにくいので、ここまでを動画にしてみました。
で、今度はこの板を乾燥させます。
Jパネルは、乾燥が命です。
無垢に近いのに、合板以上の寸法安定性を誇る丸天星工業さんのJパネルは、使っていて本当に狂いが少ないのに毎回驚かされるのですが、この行程で納得。
機械が掃除機の要領で空気でピタッと板を吸い付けて持ち上げ、並べてゆきます。
全ての板を均一に乾燥させるため、隣の板と板は少し離さなければなりませんし、上下方向に重ねる際には、桟で隙間を空けなければなりませんが、全て機械がそれを積んでゆきます。
黄色の矢印が桟です。これも、機械が自分で並べます。
積み上がった板ですが、寸分違わず黒い桟が同じ所に積み上がっているのがお分かりかと思います。
上から圧力をかけて固定して乾燥させるので、桟の位置がずれると、木が曲がってしまうのです。
積み上がった板は、そのまま乾燥炉へ。
これが乾燥炉。
ここで、なんと含水率を3?4%程度まで下げます。
普通、そんなに乾燥させると割れてしまうのですが、高温の水蒸気中の雰囲気炉にすることで、割れも反りもなく、板を乾燥させます。
この乾燥が、丸天星工業さんの高い品質を担保しています。
で、乾燥した板。
手にとってびっくり!
本当に曲がってない。真っ直ぐです!
で、一枚ずつ含水率を測定。
もし5%より高い含水率の板があると、ここで自動的に撥ねられます。
次の工程でやっと人が登場。
ここだけは機械では出来ない部分。
左の方が、完成時に節が同じ位置にそろっていたり、表裏が逆だったりすると格好が悪いので、センス良く並べ替えてゆきます。
「人の目」が出てきて、少し安心(笑)。
で、次の工程は、いよいよ板と板の接着。
拡大すると分かりますが、板の側面に、接着剤が塗られています(もちろん自動)。
この行程も、動画で見てみましょう。
で、圧着されて、一枚のパネル状になったものが、こちら ↓ 。
圧着されたので接着剤がはみ出ていますね。
そしてこの板を、表面を滑らかに、厚みを均一に、機械(プレーナー)で削ります。
削られた板は、真ん中の板のみ、2つに切断され、くるっってなって…。
うーん、言葉では説明しにくいですね。
雑な絵ですけど、こういうことです。
今回、私が何より驚いたのは、オートメーション化されたその行程。
今までの写真で、人が二人しか写っていなかったのにお気づきでしょうか?
なんと、これらの行程の全てを、四人のオペレーターで管理しているわけです。
凄いです。
「せーの、重てぇ?っ!」
とか言いながら何かを持っている人なんて皆無。
ここまで徹底した自動化を図ることで、あの素晴らしい精度を出しているんだなと実感しました。
日本では、Jパネルを作っているのは、ご紹介した丸天星工業株式会社、鳥取の協同組合レングス、徳島の株式会社山城もくもく、の三社だけですが、今回工場を案内していただいたのは、この三社の機械製造ラインの開発者の大石さん。
その顔からは、
「もちろん、うちのが一番高品質!」
と言う自信が見て取れました。
最近のマクスのおうち達が、この様に、頑丈で美しい空間に出来るのは、このJパネルのお陰なのであります。
日本の森林資源の育成・環境面から見ても、外材から合板を作るよりも、遙かに有意義ですしね。
(もちろん、少々お高くはなっちゃいますけど…)
いやー、今回の工場見学は、今まで行った見学の中で、一番楽しかったなぁ?。
丸天星工業の皆さま、ありがとうございました。
というわけで、来週末は、今回ご紹介したJパネルが内装にもたっぷり使われているお宅の完成見学会です。
ぜひ下記よりご予約くださいませ。
【富士市】自然素材のコンパクト・エコハウス 完成見学会 12/12・13
【富士市】構造見学会(パッシブソーラー体感会)
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2015年12月03日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。