区域指定用地に「セルフ農家住宅」をプランする
先日、マクスが加盟する勉強会「町の工務店ネット」の勉強会で、茨城県はつくば市に行ってまいりました。
今回の勉強の目的は、かなり先駆的なもの。
専門的な話になりますが、今月より、13番目の用途地域として、新しく【田園住居】というものが追加されました。
まだどこにも指定された場所はないはずですが、この新しい基準に関して、今後の行政の誘導したい方向性と業界の進むべき道を探ろうというものです。
題して【区域指定用地に「セルフ農家住宅」をプランする】
~土間のある平屋×農ある生活を計画する(塾長:田瀬理夫)~
つくば市により区域指定された区域(旧集落)の中に「里山のある町角」をテーマに住宅地計画を作成し、講師の田瀬さんと一緒に、皆で検討しよう!
というものです。
まずお邪魔したのがこちらの旧家。
当主は代々この家を守り、地域の農業・地域の文化を支えてきた方です。
この長屋門は、江戸時代の建物なんだとか。
こちらの当主の地域指定された農地が課題敷地。
だだっ広い空間に、定期借地権で新農家住宅を計画する。
「何区画にするのか?」
「区割りは?」
「接道条件はとれる?」
「畑はどうする?」
「肝心の家の形は?」
うーん、何ともつかみ所のない難問。
家一軒ならいつも設計している参加者も、このような仕事はいわゆる不動産業者の分譲の仕事なので、皆悩みます。
もちろん、不動産業者が分譲するような、コスト優先の魅力のない詰め込み式の区割りでは、そもそもみんなが集まって勉強する意味など無い。
いかに、魅力的な「新農家住宅を考えるか?」なのです。
講師であるランドスケープデザイナーの田瀬氏も、熱が入ります。
課題敷地は、↑こんなところ。
実は20年ほど前、つくば市で働いていた私の昔からのイメージは…
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昔からある農家の入母屋の家の隣に、新しく入居してきたアーリーアメリカン風ローコスト住宅、みたいな、何とも言えないカオスな町
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道路ばかり広くて、人が歩いていない寂しい町
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つくばエクスプレスの開通で、駅周辺だけ開発された無機質な町
つくばの皆さま、ご、ごめんなさい…。
で、そんなつくばに、昔からある田園風景と、新しい家々を調和させたい…。
何とも難しいけど…。
ちなみに、私はこんな感じに考えました。
約100坪の敷地を持つ6軒の家。
子供部屋が塔屋的に2階にくっついた平屋っぽい住宅が、筑波山の麓に並び、昔からある周辺の農地の風景になじむ。
作業用の道路を敷地に通し、敷地の中心には、シンボルの大ケヤキ。
南には各戸の区分所有の畑。
田瀬さんの評価は…
「うーん、まぁ、無難ですね…」
微妙だ(汗)。
小さいけど、「町を作る」ってこんな感じなんでしょう。
こんな仕事もいつかしてみたいなぁ…と思ったのでした。
最後は業務連絡。
14(土曜)→9:30頃からぼちぼちやります。
15(日曜)→雨なので中止にします。
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About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。