リノベーションのインスペクション?
「良質な住宅ストックを作る」
はぁ?
これを聞いて意味が分かる一般の方はほとんど居ないのでは…。
つまり、「新築だけでなく良質な中古住宅を作る」ということです。
そう言えばいいのに…、行政はカタカナがお好き。
何度か書かせていただきましたが、この良質なストックを作る事を目指し、新築のみだった「長期優良住宅」から、「長期優良リフォーム」というのが始まりました。
長期優良リフォームとは
要するに、現在の「割と性能が高い方の新築住宅」並に、中古住宅をリフォームしましょ、ということですね。
建てた当時よりも、断熱性・耐震性・居住性を上げる工事をリノベーションと捉えれば、この長期優良リフォームは、まさにリノベーションと言えると思います。
長期優良リフォームで200万円が貰える!
新聞でも大々的に報じられましたが、結論から申しますと、今年は100万が上限。
しかも、申請して採択された結果を見ると、支給額は80万円。
予算に対して申請が多かったので減額されたものと思われます。
この手の補助金では、「取り敢えず申請だけしておこう」というのがもの凄く多く、採択されても、結局申請をしないで、降りる人もかなりの数に上るため、予算が余って二次募集とか、年度後半まであーだこーだと…。
愚痴っても仕方のないことですが。
さて、この補助金をいただく(もちろん、私ではなく、工事をするお施主さんです)ための条件の一つに、建築士がインスペクションを行うこと、というのがあります。
またカタカナです(笑)。
インスペクションとは
インスペクションとは、英語で【inspection】、検査・視察・査察のこと。
要するに、工事前に、住宅の耐震性や劣化具合などを診断し、どの様に工事をするかを決めることです。
で、今度工事させていただく富士市のお宅のインスペクションに行ってきましたので、その様子を少々。
基礎の割れチェックや、床下覗いたり…、そして写真は小屋裏(屋根裏)です。
写真中央に見えるのが、工事の無事と家内安全を祈る幣束(へいそく)です。
築40年以上経っているので、金物の取付とかも、現在と大分違います。
年代から考えると、入っているだけまだマシ、とも言えます。
昨日、一昨日とご紹介した梁の接合部。
この金物など、まさに入っているだけかなり良心的ですが、木が痩せて隙間が大きくなっているし、ボルトも手で回るほどユルユルです。
この火打ち金物は、アングルと呼ばれるL字型の鋼材を工夫して作ってあるようです。
初めて見ました。
雨漏りや腐りもなく、まずは安心。
解体して骨組みだけにしちゃいますので、接合部は全て今の基準で補強します。
いずれ来る大地震にも負けない家に生まれ変わらせます。
一つ考えさせられたのは、写真を見てお分かりの通り、このお宅、屋根にも壁にも、一切の断熱材が無い、無断熱の住宅です。
すきま風も凄く、温暖な静岡と言えど、冬は、かーなーり、寒い。
でも、断熱材が入っていない(+隙間沢山)お陰で、室内で灯油のファンヒーターをガンガン使っても、小屋裏や壁の中で結露することがなく、腐りや酷いカビもありませんでした。
断熱・気密・結露・カビ、これらが密接に関係していることが良く分かりますね。
そんなお話しも、明後日日曜日の勉強会で学びます。
営業は致しませんので、一緒に勉強してみませんか?
2014年04月04日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。