秋山東一先生のサイトプランニング
お陰さまでマクスのモデルハウス『冨嶽町家(ふがくまちや)』は無事完成。
幸設計建築のインテリア、杉山製作所のアイアンアイテムと、モデルハウスのコラボ企画をご紹介してまいりましたが、やはり、大トリは、秋山先生でございます。
コラボなどと言ってしまったらおこがましい。
秋山先生は、エラ?ぃ大先生なのでございます。
一般の方のために、秋山先生をご紹介しますと、先生は、1942年、東京都のお生まれ。
現在74歳、わ、若い…(汗)。
東京藝術大学美術学部建築科を卒業し、東孝光建築研究所を経て、1977年ランド計画研究所を設立。
ちなみに、東孝光(1933-2015)の師は坂倉準三(1901-1969)、そのまた師は、あのル・コルビュジェですから、なんだかもう、私から見ると生きる伝説というか雲上人といいますか…。
秋山先生は、1994年に事務所をランドシップに改称し、木造軸組パネル工法のフォルクスハウスをOMソーラーにて開発します。
フォルクスハウスは、住宅設計をシステム化する先駆けと言えるもので、全国の実務者により、3,000棟以上が誕生します。
木造住宅において、従来の尺モジュールからメーターモジュールへスケール感を変遷させ、室内空間の居住性を新たなスタイルへ導いた巨匠なのであります。
近年は、秋山設計道場という設計教室の場で、『秋山パターンランゲージ』を、全国の実務者に厳しくご指導くださり、私を含め、先生を心の師と仰ぐ設計者は、日々の業務の中で、「先生ならどう考えるだろう…?」そう自問自答しながら設計をしているのです。
写真は、以前マクスがホスト工務店となり、富士市で設計道場が開催された時の様子。
(いやぁ…いつにもまして緊張したなぁ…)
さて、話をモデルハウスに戻しますと、秋山先生には、計画段階から現地にお越しいただき、『サイトプランニング』段階から、多くのアドバイスをいただきました。
『サイト』とは、敷地のこと。
つまり、敷地に、どのように建物を計画するか、ということ。
位置・大きさ・形はもちろん、どの方向を閉じ、そして開くか。
建物の設計は、サイトプランで、その良し悪しが、ほぼ決まるのです。
これ(↑)は、私の一番最初の下書きレベルのサイトプラン。
数年後の一般販売 を踏まえ、南を大きく取るオーソドックスな配置。
この段階で先生にアドバイスいただいたものを大公開です。
「そんなに庭いらなくない?」
「イベント用にもっと駐車スペースを取るべし」
「将来『離れ』的な建物ができても、運営上面白いのでは?」
とのアドバイス。
離れは深い…。 先生、経営的なことまで考えていただいて…すごい。
そしてアドバイスから出来た私のプラン-2。
余談ですが、不動産業者のチョンボで、敷地が当初より広いことが判明(←結構いい加減な人もいるんですよね…)、それをうけて、敷地の形が変わっています。
立面はこんな感じ。
そこに…。
めっちゃ赤が入る(うっ…)。
ご指摘の一つ一つが、アドバイスの一つ一つが、刺さる刺さる…しみるしみる…。
そして、それを受けて、変更。プラン-3。 だいぶ今の案に近いですね。
「モデルだからって、売りやすいとか、そんなことを考えたらイカンっ!」
「モデルだからこそ、『自分の住みたい家』を作りなさい!」
うーん、これは効いた…。刺さった…。
そして、ディテールを詰めて、最終案。プラン-4。 ほぼこれが、今のモデルの型となっています。
完成したモデルハウスを先生に見ていただきました。
ご機嫌だったので、良し、ということで…(笑)。
先生、ありがとうございました!!!
2016年08月26日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。