ビフォーアフターの「そよ風」システム
テレビを見てのつぶやきです。
日曜日、スタッフより「TVで『そよ風』やってますよ!」と電話がかかってきたので、録画して昨晩見てみました『劇的ビフォーアフター』。
出る杭は打たれる、と言いますが、視聴率が高いこの番組も、ネットや雑誌で色々言われてますね。
私も建築業界にいるので、工事方法や金額、裁判沙汰など、話は聞いてますが、当事者ではないので批判はいたしません。
そもそも『TV』なんだし、タイトル通り『劇』だし…。
リフォームってもっと泥くさーぃ地味なお仕事、アレはあくまでもショーとして見ましょう。
(私は見ないけど次男が好きなんだよな…)
が、私どもも使っている、パッシブソーラー『そよ風』システムが使われておりましたので、その点に絞って一言感想です。
私が描いたイラストですが、そよ風システムは、冬は屋根で暖めた熱を床下に運び、夏は屋根で暑い熱気を排出、そして夜は放射冷却で冷えて除湿された空気を床下に送って冷やす、そんなシステムです。
床下に空気を運ぶのは、ダクトの途中に仕込んだファン、つまりこのシステムは、熱を制御する大がかりな換気扇なのです。
通常、床下に送った空気は、イラストの通り、一階の床のあちこちに設けたスリットから室内に出てきます。
こんな感じ。
“トーゼン”ですけど、床下に白蟻消毒したら、ここから毒ガスが出てくるようなものです。
だからマクスでは、床下には人体に有害な揮発性有機物質を一切含まない、また有効成分自体も非常に安全性の高い、ホウ酸の白蟻予防薬「エコボロンPRO」を使用するわけです。
で、話をTVに戻しますと、今回のお宅は床下は普通に農薬で白蟻予防処理が施されました。
だから、一階の床にはスリットは無し。
床下から外部へと空気が抜ける、という設計のはずです。
でも、基礎に大きな換気口を設けると、夜になったらその穴から冷気が入ってくるので、基礎からの放熱があまり期待できない。
基礎からの放熱で家を暖めるので、このシステムの場合は床下に断熱材を設けません。
断熱したら、床下の暖かさも伝わってきませんから。
すると、雨の日など、そよ風が動かない日は、単純に上記の穴を通して床下は非常に寒くなり、断熱材の入っていない床も、かなり寒くなるはず。
もしかしたら、基礎から外に空気の出口を設けていないのか…?
そうすると、逆に二つの問題が起こります。
一つは、単純に屋根からの空気が入っていかない。
換気扇と同じですから、入口と出口がないと、空気は動かないんですね。
もう一つの問題。
出口がないところに無理矢理空気を押し込めば、どこかに逃げる。
壁内はグラスウールを入れていましたが、壁内の気流止めや気密フィルムの施工は無かったようです。
そうすると、床下の空気は壁の隙間に逃げる。
当然、室内にも逃げてくる。
床下には、白蟻消毒で使った毒性の高い揮発性有機物質がムンムンだったはず…。
ちょっと色々問題あり過ぎかと。
こういうの、イメージだけで使っちゃいけないんですよね。
上記は、TVから見ただけの感想です。
映っていないけど、こういったことへの対策は、実は十分に出来ていたのかも知れません。
どんな物にも、メリットとデメリットがあり、さらに、間違った使い方をすると、効果がなかったり、逆効果だったりすることがあるから、ちゃんと正しい知識が必要ですね、と言うお話しでした。
【住んでる家訪問会】のお知らせ
2013年01月29日
Post by 鈴木 克彦
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