天竜杉の柿渋塗装
伊豆の国市の堀部安嗣建築設計事務所の設計の住宅の工事風景をご紹介します。
と言っても、ここはマクスの会社駐車場。
社員大工の宮崎と、総務のユキちゃんが、二人で楽しそうに天竜杉の内装材に塗装をしています。
塗っているのは「柿渋(かきしぶ)」です。
昔、日本家屋の外壁の多くが杉板だった頃には、ごく普通に塗られていた保護塗料です。
柿の渋みは、タンニンであり、タンニンは、お茶の渋味と同じ、そして、マクスがよく使うウエスタンレッドシダー(後ろの建屋の外壁がそうです)にも、大量に含まれています。
タンニンには、防虫防腐効果があります。
塗料としての柿渋は、柿を潰し、それを発酵させた上澄み液です。
平安時代からすでに使われており、化学塗料の発達で現在では殆ど使われなくなりましたが、シックハウスなどの化学物質過敏症リスクがない完全な自然素材であることや、ノロウイルスの抗菌作用が認められることから、近年少しづつ見直されている材料でもあります。
堀部さんは常々、
「古くから風雪に耐え使われてきた素材には、深い信頼感があり、見直してゆくべきである」
と講演でも仰っています。
今回も堀部事務所の指定で、京都のメーカーより、発酵熟成させた柿渋を取り寄せての塗装です。
ただ…
発酵熟成の柿渋って…
おっそろしく、臭い。
冗談抜きで、こんな感じで臭い。
会社の敷地全体が臭い。
宮崎とユキちゃんは鼻栓にマスクで頑張っています。
ボキャ貧の私では、この臭さを正しく表現できませんが、書くとすれば、
「汗だくの部活終わりの男子中高生の靴下を、ビニール袋に入れたまま一週間洗濯に出し忘れた時の匂い」
がします。
設計の仕事優先で塗装に参加しなかった祭ちゃん、あまりの臭さにフリーズしています。
近年では、匂いが少ないものも開発されていますが、色づきが堀部さん好みでないらしく、
「一番臭いのでお願いね!」
とのご指定が…。
その柿渋の色ですが、こんなに強烈に臭いのに(ブログでは匂いまでお届けできないのが残念です)、塗った直後はほとんど色は付きません。
でも、一晩経つと、ご覧の通り。
(一枚だけ塗っていない面に裏返し)
随分色が変わっています。
どんどん色が濃くなり、
こんな感じの深い味わいに変わります。
(以前訪れた堀部さん設計の大山阿夫利神社の、茶寮 【石尊】)
ちなみに、マクスの建屋の外壁のウエスタンレッドシダーは、無塗装からシルバーグレーに色が変わってきています。
このような、自然素材の経年変化って、劣化ではなく「美しさ」ですね。
2020年02月07日
Post by 株式会社 macs
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