土佐和紙の内壁工事
本日も、沼津市の新築注文住宅からでございます。
昨日は外部だったので、本日は内部です。
自然室温で暮らせることを目指す「びおハウス」です。
内部は仕上げに入っております。
プラスターボード通しのジョイントと、施工時のビズを、キレイにパテ埋めしてゆきます。
現在マクスの住宅はほとんどが、自然素材100%の珪藻土ですが、こちらのお宅では土佐和紙クロスを使っております。
中央にある機械がその和紙クロスにノリを付ける機械で、これはビニールクロスに糊付けするものと同じ機械です。
職人が丁寧にパテ処理をしています。
いかにパテを平滑に丁寧に仕上げられるかで、この後の工程の良し悪しが決まります。
和紙クロスは本物の和紙です。
ビニールクロスと比べて、職人泣かせの素材です。
というのは、本物の和紙ですから、ビニールクロスのように、はみ出したノリを雑巾で拭き取る、といったことが出来ません。
一発勝負、です。
施工時も、ビニールクロスのように、いっぺんにノリを付けておいておく、ということが出来ません。
ノリを付けたら、一旦なじませ、今度はすぐ、一定時間内に貼ってしまわないと、ノリを吸いすぎると貼った後に皺になります。
非常に気をつかうので、ビニールクロスに比べて手間がかかります。
なぜ大変なのかを職人から聞くことで、じゃぁどうすればいいか、設計や前段階の施工で工夫できないか、それを考えてあげなければなりません。
どんなに大変でも、愚痴もこぼさずに黙々と作業をしてくれる職人が多いので、現場で「どう?」と苦労を聞いてあげてそれを少しでも改善につなげるのが私の役目です。
施工だけでなく、和紙クロスのデメリットは、住まい手さんにとってもあります。
ビニールクロスのように、汚れたら拭き取る、というのが出来ません。
和紙ですから、濡らしてポンポンと優しく叩いて汚れを浮きとる、というのが対処法です。
もちろん、ビニールクロスにはない調湿性や通気性、自然素材だからこその、味わいや経年変化の楽しみもあります。
でもそれよりやはり、一番の大きな違いは、「万が一の火災の時」とお客様にはご説明しております。
ビニールクロスは燃えにくくは出来ていますが、所詮ビニールですので、間違いなく燃えます。
でも、燃えることより問題なのは有毒ガス。
火事で亡くなる方の多くは、熱さで焼け死ぬのではなく、有毒ガスで倒れて動けなくなって逃げ遅れることによる焼死です。
和紙は燃やしても有毒ガスは出ませんので。
万万が一、なのですが、やはり、安全な素材を選んでいただきたい、そう思います。
2017年01月13日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。