番匠さんのお仕事見学
浜松の工務店、番匠(ばんしょう)さんのお仕事を見学させていただきに行ってまいりました。
なんと、江戸後期から続く工務店で、社長の眞瀬さんは七代目と言うから驚きです。
こちら、伺った事務所ですが、右の大きな建物は作業棟。
中では、大工さんたちが手加工で構造材の刻みを行っています。
今でも、ほぼすべての建物を、プレカットではなく手加工で行っているそうです。
これだけの加工場があれば…
うちの大工たちも喜ぶでしょうが、無い物ねだりしても仕方ありません。
そして現場。
コロナがまだまだ大変ですから、極少人数でお邪魔したのですが、みんな興奮。
伝統の「小舞壁」で土壁にしています。
小舞壁はリフォームや解体現場で見て我々実務者はみんな知ってはいても、でも、新しく作った経験はみんな無い。
それが目の前で。だから興奮(笑)。
ご存じない方は「小舞壁(こまいかべ)」でググってください。
あぁ、これ!って分かるはず。
上の写真、細い竹と割った竹が見えますが、
こんな感じに柱に貫(ぬき:清水の舞台と同じ考え)を刺して固め、
それに細い竹を固定して、
割った竹を編み付け、
左官職人が藁と一緒に練った土を塗りつけて、
最後シックイで仕上げる、
という、非常に手の混んだ伝統構法。
でも、番匠さんは、手刻み+土壁=コテコテの伝統工法偏狭者、などでは決してなく、現在の耐震理論にしっかりと基づいて計算された家づくりをされておられます。
壁は土壁だけでなく、湿気を通すダイライトで耐力壁を作り、先週ご紹介した水平構面もしっかり、見えますね。
いやはや…。
いつも思うのですが、ほんと、全国にはまだまだ、尊敬すべきものすごい工務店がたくさんありますねぇ…。
「じゃぁうちも土壁やるか!」
流石にすぐにそんな事できませんけど、例えば上の「深い軒」とか、日本の建築に昔からある非常に重要な建築のエッセンス。こういう部分は、私達もこれからもしっかりと守ってゆこうと思いました。
そして、浜松餃子は美味でした。
番匠の皆様、お忙しい時に色々ありがとうございました。
さらに、番匠さんが手掛けた土壁の醤油蔵、も見学させていただいたのですが、そちらは12日更新の「びお静岡東部版」にて。
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。