気密試験で新記録
静岡市で工事中の堀部安嗣建築設計事務所の設計の、新築住宅からでございます。
堀部事務所の検査も無事終了し、あとはお引渡しを待つばかり。
そんなある日、壁を傷つけないように、そぉーっと大きな機械を搬入しました。
そう、これは、気密測定をする機械。
巨大な扇風機です。
上の写真でプロペラが見えると思いますが、ここから建物内部の空気を、外に強制的に出し続けます。
換気扇など、計画的に空気の出入りがある部分は、テープで目張りします。
そして、換気扇を稼働させ、建物の中と外の気圧の変化を測定します。
気密性が高ければ高いほど、建物内部の空気の圧力(気圧)は下がってゆきます。
空気を外に出しているので薄くなってゆくわけですね。
反対に気密性が低いと、気圧は下がりにくくなります。
ちょっと見にくいけど測定結果です(左)。
気圧の変化から、この家の隙間相当面積(赤丸)を、実質上の床面積(緑丸)で割ります。
51cm2 ÷ 129.18m2 = 0.39
これが気密性能値Cです。
四捨五入して、C=0.4
いままで、小数点第2位までで0.4を切ったことがなかったので、マクス新記録です。
ちなみにこのお宅には、家具職人が製作したの大きな木製引戸があります。
引き戸は、しかも製作の建具は、既製品に比べればどうしても気密性が下がります。
そこで、あくまでも参考までに、この引戸を目張りして、もう一度測定してみたのが…
こちら。0.29!おお!すごぃすごぃ。
手前味噌ながら、マクスの社員大工たち、よく頑張ってくれました。
何事にも、上には上がいます。
北海道や北東北で、このC値に命かけてる方々の中には、0.1を切るようなすごい方々もいらっしゃいます。
けれど、パッシブソーラーを搭載した住宅で、これくらいの数字が出せるところは、日本では、そうはないのでは?と思います。
もちろん、パッシブソーラー関係は特別目張りしておりません。
と、ちょっと自慢してみました。
この「気密性」もちろん、目で見ても分かりません。
わからないけど、居住性と光熱費には、結構効いてきます。
気密性は、完成見学会でも分かりません。
けれど、構造見学会だと、なるほどね、と分かるんです。
嘘だと思ったら、今度の日曜日の構造見学会にご予約ください(笑)。
ただし、午前の部は満席でございます。
午後の部にお申込みくださいませ。
【11/3 富士市 制振ダンパーも見られる大屋根の家構造見学会】
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。