トリプルガラス樹脂サッシの取付
本日は、先週とは別の、富士市の新築住宅からです。
自然室温で暮らせることを目指す「びおハウス」です。
こちらは土間とクッキング薪ストーブのあるおうちです。
玄関前のポーチを大工が作っています。
梁を二人で持ち上げていますが、梁は緑色。
これは、加工後に防腐剤を加圧注入しているからです。
雨に濡れる部分なので、こうした一工夫で、長持ちするかどうかが全然変わってきます。
でも、薬剤がたっぷり注入されるので、めちゃめちゃ重いのです。
(写真撮ってないで手伝えよ…)
重いと言えば、上の写真で手前に立てかけてある白い四角い物は、サッシの建具です。
このサッシもメチャメチャ重い。
トリプルガラス、つまりガラスが三重なので重いのです。
比重で比べると、つまり同じ体積なら、ガラスってコンクリートより重いのです。
こちら南面ですが、その大開口の大きなサッシが付きます。
大きなサッシは気持ちがイイです。
でも、アルミサッシのペアガラス、とかだったら、寒いわ結露するわで大騒ぎ確実です。
サッシの大きさや種類によって、断熱性能は異なるので一概には言えませんが、
アルミサッシのペアガラスの熱貫流率を約 3 w / (?/k)とすると、一般的に壁に入っている断熱材のグラスウール(熱伝導率0.038)の1.3cm分くらいしか有りません。
(1 / (0.0127m ÷ 0.038) ≒3 )
アルミサッシのペアガラスの断熱性は、ペラペラのグラスウールよりも低いのです。
最近だとローコスト住宅でも75ミリくらいのグラスウールは壁に入ってますから、その場合、アルミサッシのペアガラスは、壁の1/6程度の断熱性です。
(1 / (0.075m ÷ 0.038) ≒0.51、3.0÷0.51≒6倍?)
これはつまり、単純に壁の6倍熱が逃げるわけで、高断熱を謳うローコスト住宅の窓が小さいのはこのためです。
窓は大きいほど確かに気持ちは良いのですが、その分寒い。
寒さ対策をしっかり考えてから窓を配置する必要があります。
こちらのサッシは、樹脂製のトリプルガラス。
大開口のサッシは、エクセルシャノンのトリプルシャノン、その他はリクシルのトリプルマイスターです。
それでも性能上、アルミサッシのペアガラスの倍程度しかなく、壁の方が断然性能は上です。
(日本のサッシは、大きさや種類毎に正確な熱貫流率を発表していないので単純比較できない)
(同じ理由で、熱貫流率の3よりもっと悪い、4とか5のアルミサッシのペアガラスもある)
だから、窓って大事。
大事と言えば、断熱性だけではありません。
樹脂サッシは、部材が溶接加工なので、気密性が高く、部材からの雨漏りはアルミサッシに比べて心配ないと思うのですが、念には念を入れて、立体加工の防水材(薄い緑色)を入れています。
上部は防水テープで。
この後、透湿防水シートでさらに防水です。
おっと、サッシの奥から「写真撮って!」という目で見ている人が居ます。
リクエストにお答えしてご紹介しましょう。
毎度おなじみ几帳面な電気屋さんです。
床下で見えなくなるけど、丁寧に丁寧に配線して行きます。
内部をもう少しご紹介。
先週末にご紹介した内部の柱ですが、このお宅は中央の一本だけ。
もちろんそれでも、しっかり構造計算して、最高等級の耐震等級3で計算しています。
こちら最上階のロフトになる部分。
屋根には、断熱性・調湿性が高い、木質繊維断熱材の特注品(密度60kg/m3)を24cm入れています。
熱抵抗値=0.24m(厚さ) ÷ 0.039W/mk(熱伝導率) =6.15W/k
静岡(6地域)の次世代断熱基準に求められる屋根の性能(4.6W/k)を、楽勝でクリア。
これで、夏でもロフトが涼しいのです。
みーんな、見えなくなる所が大事です。
だから、完成見学会よりも構造見学会の方が大事なんですけど、やっぱり完成見学会の方が楽しいですよね…(笑)。
というわけで…
2014年12月09日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。