北海道の住宅に学べ2
昨日の北海道出張の続きです。
本日のお題は樹脂サッシ。
お邪魔したのは、樹脂サッシメーカーのエクセルシャノン社。
夕張市の栗山工場です。
サッシというと、合併が進んだ現在、LIXIL vs YKK、みたいな図式ですが、定番のアルミサッシではなく、樹脂サッシに限定すると、高いシェアを持つ日本の樹脂サッシのパイオニアです。
その工場を見学出来るとあって、期待が高まります。
そもそもシャノンは、1976年の創業。
樹脂のサッシって、耐久性は大丈夫?という不安もあるかも知れませんが、シャノンは創業当時から北海道で樹脂サッシを作っており、札幌では、40年前のサッシも現役で活躍しているそうです。
なんと、南極の昭和基地にも使われているのだそうで、有名なところでは、ディズニーランドホテルにも使われています。
もともとは、化学メーカーのトクヤマが作った会社であり、苛性ソーダを作る際の副産物である塩素とエチレンから作られる塩ビが原料の樹脂サッシですから、シャノンは樹脂サッシを原料から作っているわけですね。
40年の苦労話を工場の方々からお聞きし、さすが、パイオニアは違うなぁ…と思いました。
さて、肝心の工場内ですが、やっぱり写真禁止箇所だらけ。
でも、このトランスフォーマーみたいな溶接マシーンは許可がおりました。
アルミサッシの場合は、材料と材料をパッキンを挟んでビス止めなのですが、樹脂サッシは、この様に斜めに切った部材の端部を、一旦熱で溶かして溶接して組み立てます。
だから気密性もアルミサッシより上。
ただ、熱で溶かした部分をギュッと押しつけて溶接するので、この様に盛り上がります。
そこで、職人さん登場!
特殊なナイフで、スパッ!スパッ!スパッー!と、目にもとまらぬ早業で削り取ると、
お見事!端部はツルツルに。
マクスでは以前は輸入品の樹脂サッシを使っていたのですが、この精度の良さは、やっぱり「もの作り大国ニッポン!」と言う感じで感動的です。
秋山先生も「どうだ!」とご満悦。
さて、その後、今回の工場見学の目玉、防火試験へ。
念のため、ヘルメットとガスマスクを装着。
うーん、何を付けても似合います(つっこみどころ)。
で、こちらが試験マシーン。
日本に数台しかないのに、メーカーでこんな機械を持っているあたりが、流石パイオニア。
撮影許可はここまでだったのですが、手前の白い枠がサッシですね。
で、この機械の奥から、地獄の火炎が吹き出します。
ISOで定められた通りの加熱をするわけですが、横の小窓から除くと、それはそれは恐ろしい火力です。
5分後には炉内は約600℃、20分後の試験終了時には781℃に達します。
その上で、
・連続10秒以上の火炎・発煙がないこと
・火炎が通る損傷・隙間がないこと
が求められます。
正直、こんな火でフレームの樹脂が溶けないのかな…?と心配だったのですが、確かに煙は出るものの、火は付かないんですね、ビックリです。
そして、樹脂の枠よりも、問題はガラス。
熱でガラスが割れてしまうのです。
(勿論二層若しくは三層のガラス、全部割れたらアウト)
その意味では、火災に対してはアルミも樹脂も、その耐久度はガラスに依存するからあまり変わらないな、と感じました。
いやはや、良い勉強になりました。
こういう「ものづくりへの挑戦」が、メーカーのプライドなんでしょうね。
素晴らしいです。シャノンさん、ありがとうございました。
ちなみに、こちら、札幌市内のホテル。
私はもっと安いビジネスホテルでしたが(涙)、一緒に行った方々の一部はこちらのホテルへ。
このホテルの窓は、全てシャノン製です。
こんな高層の建物にも樹脂サッシって使えるんですね。
こちらは、昨日もご紹介した物ですが、シャノンのHPより抜粋しました。
いかに日本の住宅が断熱面で遅れているか、一目瞭然です。
これからは、やっぱり樹脂サッシの時代になって行くんでしょう。
うーん、樹脂サッシのこと、もっと知りたくなったのでは???
はぃ、そんな方は現物を見るのが一番、構造見学会へ是非!!!
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2014年11月06日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。