朝起きたら何度? 続き
昨日の、朝起きたら何度? の続きを書いてみましょう。
昨日のブログで、
「高断熱高気密の基準、つまり次世代基準(平成11年基準)で建てていますが、
この基準では、実はこうまで暖かくはなりません。」
と書きました。
では、もっともっと断熱性が上がったらどうなるか…?
昨日の我が家の断熱性を計算し、断熱性の高さを示す値であるQ値(値が小さいほど断熱性が高い)を求めてみると、
2.55
となります。
では、昨年末にお引き渡しの、自然室温で暮らせる家を目指す『びおハウス』ではどうだったかというと、
1.65
となります。
ちなみに、Q値は小さい家ほど、凸凹が多い家ほど、数字が不利(大きく)に出ますので、上記の数字の差は、実際にはもっと大きい、つまり、びおハウスの方が性能が良くなるはずです。
朝起きたときの温度を発表する前に、住み始めてからの様子を見てみましょう。
まずはこちら。
左側が樹脂サッシ。
フレームは全て樹脂で出来ています。
そして、ガラスはトリプルガラス、つまり三層。
ガラスとガラスの間には、断熱効果がより高いアルゴンガスが封入されています。
右のドアは、一般に使われているペアガラスのアルミサッシ。
樹脂サッシのシリーズに開きドアが無く、予算も考慮し、この家で唯一のアルミサッシが付いています。
よく見ると、樹脂サッシのガラスの下側に、うっすらと結露が…。
家の中では、生活に伴い、煮炊や洗濯・お風呂、そして住人自体の呼吸によって、大量の水蒸気が生まれます。
夏であっても、鏡に「はぁーっ」て息を吹きかければ結露しますね。
アレと同じで、断熱性がもの凄く高いサッシでも、外気温と換気と室内に排出される水蒸気量のバランスによっては、結露が起きます。
ただ、このお宅の場合、壁が水性塗料の塗装仕上げで、調湿性はないので、これが漆喰や珪藻土の壁になったらおそらく窓ガラスでの結露はないでしょう。
で、横のアルミサッシではどうか…?
わぉ!凄いことになってます。
やはり、熱は窓から逃げますね。
さて、具体的に温度計ってみました。
ここはトイレ。
勿論ここに暖房はない。
そして、測定時、家自体も無暖房、つまり家の中のどの場所でも何も暖房は使っていない。
で、トイレのガラスの表面温度は17度でした。
ちなみに、先ほどの結露していたアルミサッシのドアのペアガラス表面は、
12度でした。
冒頭の樹脂サッシは日が当たっていたので比較にならないと思い、計っていません。
話を戻して、室内側が17度だったトイレのガラスの外側(外気側)は、
6度。
その差11度なので、やっぱり結構効いてますね。
さてさて、問題の、このお宅で朝起きたとき何度?って話ですが、昨日の様に薪ストーブはありません。
パッシブソーラーも付いていません。
有るのは床下に付けた、普通のエアコン一台のみ。
運転時間は、夕方から寝るまでと、早朝から出勤までの、タイマー制御で、一日の内、合計12時間です。
で、朝起きたときの先ほどのトイレの室温は、18度から20度とのこと。
うーん、かなりスゴイと思いますがいかがでしょうか?
こういうのが本当のエコだと思います。
※補足
昨日のブログで、県外の方よりメールを頂きました。
「我が家(マンション)では、全くの暖房レスで、外気温がマイナス7℃でも、朝の室温は13℃より下がったことはありません。
コンクリートの方が木造より蓄熱性が高いからでしょうか?」
この答えですが、蓄熱性という意味ではその通りですが、むしろ、マンションと戸建ての違いがもの凄く大きいです。
例えば、同じボリュームの箱で、一戸建てとマンション(の一戸分)があった場合、一戸建ては6面が外気(内一面は地面ですが)にさらされています。
でも、マンションは一階・最上階・角部屋を除き、4面が隣家で2面のみしか外気に面していない。
容積に対し、表面積が圧倒的に小さいので、熱が逃げないわけですね。
実際、上記のびおハウスでも、引っ越し前のアパート時代の光熱費よりも、現在の光熱費の方が上がっています。
この様に、温熱環境で言えば戸建ての方が不利なんです。
ただ、もしコンクリートのマンションで通風が悪く、西日が差したりする家の場合、夏は悲惨なことになりますけど。
【住んでる家訪問会】のお知らせ
2013年01月31日
Post by 鈴木 克彦
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。