パッシブソーラーは花粉が気になる…?
先日、私のブログのコメント欄に、ご質問があったのですが、見学会などでは良く聞かれる質問なので、書かせていただきます。
 まずは質問から。
 
 そよ風、大変すばらしいと感じ、新築時に導入を検討しているのですが、
 外気導入時、外気の汚れた空気(花粉など)の対策はあるのでしょうか?
 また必要でしょうか?
 当方花粉症なものでして・・・
 コメント有り難うございました。
 
 それでは早速お返事です。
 1.ウイルスや排気ガス、今話題のpm2.5などの対策はありません。
 2.花粉や小さな虫は問題ないと思います。
 以上なんですが、もう少し詳しくご説明させていただきます。
 
 パッシブソーラーは、大抵どんなシステムでも、床下に空気を送るファンの手前に(空気の採り入れ口ではない)フィルターが有るのですが、無菌室用でもクリーンルーム用でも何でもないので、基本大きなゴミやホコリを取るためのフィルターだと言って間違いないと思います。
 
 問題の花粉がフィルターでどの程度こせるのか、正確なデータを持ち合わせていないのですが、上記の通り「問題ないと思います」、とお答えしているは、下記の理由からです。
 まず、ご存じない方もいらっしゃるかも知れませんが、現在、家づくりをしようとすると、法律で「24時間換気」なるものが義務付けられます。
 住宅の機密性が中途半端に上がったら、室内の揮発性有機物質の濃度が高くなったので、換気扇を回しっぱなしにしちゃえ、という泥縄的な規制です。
 一般的に多いのは、トイレの換気扇を回しっぱなしにし、各居室に、空気の入口である換気口を設け、家全体の容積の半分量の外部空気が一時間に入ってくる様にしています。
 
 例えば、トイレに直径15cmの換気扇を付けると、1時間に、150m3の換気量があります。
 総二階で30坪の住宅の容積を、300m2とすると、ちょうどこれで、条件クリアです。
 これを三種換気と言います。
 空気の入口を、リビングと寝室と子供部屋の三つに付けた場合、一ヶ所あたりの吸気口(直径10cmとする)から採り入れる空気は、毎時50m3(150÷3)ですね。
 
 では次。
 そよ風を例に取ると、毎時600m3の空気を採り入れる力のある換気扇が付いています。
 トイレの換気扇の4倍ですね。
 4倍の力で空気を吸い続けたら、花粉もたくさん入ってきそうです。
 でも、このそよ風の採り入れ口は、南側の軒先です。
 計算すると、空気の入口の面積は、0.4m2位有ります。
 先ほどの三ヶ所の居室の吸気口の面積は、
 0.05×0.05×3.14×3=0.023m2となります。
 
 つまり、
 三種換気の場合、150m3の空気が0.023m2から入ってくるので、1m2当たりに直すと、
 約6,500m3の空気が、一時間に通る計算になります。
 そよ風では、600m3の空気が0.4m2から入ってくるので、1m2当たりに直すと、
 約1,500m3の空気が一時間に通る計算になります。
 お分かりでしょうか?
 この空気が入ってくるのではなく、あくまで、1m2あたりに直すと、これ位の空気が一時間に通る、ということです。
 これは、掃除機を思い浮かべれば分かりやすいですね。
 ヘッドを付けたままより、ヘッドを外してホースだけにした方が、圧倒的に吸い込む力が強い。
 吸ってる量は同じなのにです。
 ストローでジュースは飲めますが、サランラップの芯ではジュースを吸えないのです。
 
 そよ風は、屋根全体で空気を採り入れ、しかも空気は上に向かってゆっくり流れるので、花粉が吸引力で吸い寄せられて家に入ってくるというわけではないのです。
 実際、定期点検でフィルターを見てみると、特別に汚れていません。
 (ま、この辺が田舎だからなのかも知れませんが…)
 
 以上、長くなりましたが、パッシブソーラーと花粉の関係でした。
 ご不明な点はどなたでもご質問下さいませ。
 
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。
  
  


						
					
				
                                  
                                  
                                  
                                  
                                  
							
							
							
							
						
						
						