遮熱には期待していない
本日は、富士市の注文住宅の現場からです。
話は少々さかのぼり、上棟二日目終了間際の一枚。
雨が降る前に、シートまで施工できて一安心の、社員大工の宮崎と現場監督の城内。
屋根の防水シートに、今まで使ったことがない新しいシートを使ってみました。
このシート、他のシートには無い、3つの特徴があるのですが、それが本日のお話。
この屋根にはパッシブソーラーシステムが搭載されるため、このシートの真上を通って来た空気が室内に運ばれます。
一般的なアスファルトルーフィングという防水シートでは、高熱になると有毒ガスが発生するので使えません。
ですから、今まではすべて、ルーフライナーというシートを使っていました。
ですが今回、この商品(名前きっちり読み取れますが…笑)を初めて使ったわけです。
以前から「いい商品なんで使ってみてください!」と営業されていたのですが、
「高温時に有毒ガスが出ないかちゃんと調べたら使いますよ」と伝えていたのでした。
今回、製品のシートや、ノリ成分などの安全データシート(Safety Data Sheet、略称 SDS:有害性のおそれがある化学物質を含む製品を提供する際に、その情報を明示した文書)をすべて取り寄せてくれて、さらに、90°でベーキングした上で変な匂いがしないかなど、独自にいろいろ調べてくれたので、「じゃぁ」となったわけです。
メーカーの人が喜んで、記念に写真を取りに来た時の一枚です。
富士山とのツーショットも欲しいと言うので、こちらは私が撮影。
でも、なんだか白っぽいぞ???
なんじゃこりゃー!
ギンギラギンだったシートが、ずいぶん白っぽくなっちゃっています。
はぃ、事実ですから私は忖度しませんよ。
一般に、メーカーは、なにか問題があるとすぐに逃げ出して保身のみを第一とします。
政治家も役所も皆同じ。
だから、メーカーのオイシイ営業トークは話半分で聞かないとダメ。
重ね部分をめくってみるとその差は歴然。
これは、酸性雨の影響で、蒸着させたアルミが酸化したためだそうです。
富士市は製紙の煙の影響で、酸性度合いが高いと言われます。
それでも、たった数回雨に降られただけでこれじゃぁダメじゃん(苦笑)。
ただ、私は全くクレーム言いませんでした。
何故か…?
それは、最初に申し上げた3つの特徴のうちの一つ、カタログにある「遮熱」に関しては、全く期待をしていなかったからです。
なぜ期待をしていなかったかと言うと、アルミ箔ならともかく、蒸着フィルムくらいで遮熱性は得られないというある実験(これはブログに書きにくいのでメルマガの方に書きましょう)と、以前遮熱塗料を会社の屋根で実験した時にも大した効果がなかった点からです。
遮熱って、そんなに単純な理論や現象ではないのです。
そして、この遮熱のための蒸着フィルムは無くても、残りの2つの特徴には全く影響しないとのこと。(実際アルミ蒸着フィルムがないバージョンを制作検討中とのこと)
というわけで、パッシブソーラーの通気層完成。
私が着目した、このシートの残る2つの特徴とは…?
それはまた今度。
構造見学会では、ブログに書きにくいことも言いたい放題です。悪口は言いませんけど。
一緒にお勉強しませんか?
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。