金物による継手
本日も、昨日に引き続き、富士市の注文住宅の上棟現場から。
昨日は、大工の継手のお話をしましたが、機械加工より手加工がいい、手がいい、手が、手がぁ…といった懐古主義ではございません。
現代の技術の方が優れている所も、昔ながらの技の方が優れている所もあります。
適材適所です。
例えば、こちらの接合部は、28.7kN(キロニュートン)以上の耐力を求めららた場所なので、こんな金物を。
こちらもそうですね。金物が見えると思います。
はめ込んだ後に、ドリフトピンという鉄の棒を所定の位置に叩き込んで固定。
28.7kN。
ピンときませんが、ニュートンは力の単位。
質量1kgの物体の重量は9.81Nですから、28.7kNは約2.9トン。
アフリカゾウのメスくらい。
って、もっと分かりづらい…?
この接合部に、メスのアフリカゾウがそっとぶら下がっても外れないくらいにしてね、みたいなイメージ。
こんな感じに接続されます。
アフリカゾウのメスじゃないなら、マルミミゾウのオスだ、とかってお話ではなく、構造計算をして、耐震等級3を取ろうとすると、こういった部材の強さもしっかりと確認できる、ということです。
逆に、極論ですが、構造計算をしないと、こういう部分は「全て」勘に頼るしか無いってことです。
一生の家づくり、イメージじゃダメ、ってことだと思います。
ここは、大工が蟻継ぎで繋いだ場所に、さらに金物を使ってしっかり接合している所。
外からボルトを回すと、梁がギューっと引き寄せられます。
大工の魂がこもってるから強いとか、
スーパーウルトラなんちゃら工法だから強いとか、
ではなく、構造は、イメージじゃなくてキチンと計算しましょうってお話。
より分かりやすく、より詳しくは、構造見学会にて。
2018年09月19日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。