大工の手きざみで注文住宅
事務所に併設のマクスの加工場では、社員大工たちが何やらやっております。
図面を前に、桧の角材。
結構ピリピリムードなので、先輩大工の丸山が怖い若い菊池はビビり気味…。
「墨付け」という作業です。
間違えて墨をすると、間違えて加工がされ、いざ本番のときには大騒ぎ!
だから、間違えるわけにいかない→ピリピリの真剣モード。
右から、社員大工の丸山、菊池、宮崎。
そうです。
富士市で今度始まる新築注文住宅では、いわゆる「プレカット」と呼ばれる機械加工ではなく、「手きざみ」と呼ばれる大工の完全手作業による加工によって、上棟を迎えます。
墨をした加工線を頼りに、ノミを入れる菊池大工。
墨を半分残し、「硬すぎず、ゆるすぎず」にするのが腕の良い大工の仕事。
丸山・宮崎の先輩大工に挟まれて、真剣に作業する菊池。
横では宮崎大工が写真に写らないほど高速で加工中。
あ、嘘。ただシャッタースピードが遅かっただけです。
木造住宅と言えば、昔は大工が継手や仕口を加工してから建てるこの「手きざみ」が当たり前でしたが、昭和50年代になると機械加工のプレカット材が開発され、さらに昭和60年代には、コンピューター制御の「プレカットCADシステム」へと進化します。
一人の大工が2,3ヶ月かけてやる仕事を、プレカットではわずか半日で加工してしまうため、工期とコストの面から、日本の木造住宅は9割以上が機械加工プレカットとなりました。
このままいくと、「キザミが出来ない大工」「キザミなどやったことがない大工」ばかりになってしまいます。
でも、長ホゾや金輪継など、大工の手加工でしか基本的には出来ない『良い部分』もあります。
今回、お施主様のご理解もあり、前からやりたいと思っていた手刻みが実現。
丸山も宮崎も、もちろん沢山経験がありますが、菊池は始めてのこと。
1ランク成長できるはず。
経験させていただけることに感謝です。
私も、子供の頃、よーく見かけた風景。
原風景って言うんでしょうかね。
「音」と「香り」で、昔の光景が蘇ってくるのです。
2018年07月05日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。