冬暖かい家は夏も涼しい
雨…。朝から台風のニュースで持ちきり…。
実にタイムリーさに欠けるのですが、昨日と一昨日は、記録的な暑さでしたね。
というわけで、どピーカンの、富士宮市の新築住宅現場の写真です。
自然室温で暮らせることを目指す【びおハウス】です。
電気設備職人が足場の上で夫婦漫才をしております。
って、ヘルメットしてないじゃないか!2時間説教だな…。
さて、彼らが何をやっているかと言えば、TVのアンテナを付けております。
最近ではTVも、地デジとBS、CS、ケーブルテレビにネットテレビなんてのもありまして、お客様のニーズも多様化。
なので、外構工事は最初にお見積に入れていますが、TVアンテナは別途工事とさせていただいております。
もちろん、ご用命いただければ、きっちり工事いたします。
うん、クリアに映った。OKっ!
さて、本日はTVの話題ではなく、「暑さ」のお話。
最近は、こんな「ハロゲンヒーター」なるものが世に出回って、体験的にお分かりいただけると思いますが、人間は、「室温」、つまり空気の温度のみで温度を感じているわけではなく、
「室温(周りの気温)」と、「周囲の壁の表面温度」の「平均」
を、体感温度として感じています。
ですから、壁や床の表面温度、つまり、ハロゲンヒーターのように、輻射熱を敏感に感じています。
で、この画像。
先ほどの屋根の上の仲良し夫婦にお願いして、屋根の表面温度を測ってもらうと、55℃。
そして、その直下(裏側)の天井面の表面温度が29℃。
木質繊維断熱材が24cm。
熱抵抗値=0.24m(厚さ) ÷ 0.039W/mk(熱伝導率) =6.15W/k
静岡(6地域)の次世代断熱基準に求められる屋根の性能(4.6W/k)を、3割以上と、大きく上回ってます。
(熱容量が大きいので、実際にはこの数字以上の効果が期待出来ます。)
次に壁。
北面の日が当たっていない部分(多分、朝方は当たっていた)で、表面温度は38℃。
室内側の壁は、30℃。
壁は、木質繊維断熱材が12cm。
熱抵抗値=0.12m(厚さ) ÷ 0.039W/mk(熱伝導率) =3.08W/k
静岡(?地域)の次世代断熱基準に求められる屋根の性能(2.2W/k)を、4割以上、やはり上回ってます。
熱抵抗値(抵抗値だから高い方がよい)は、部位毎の断熱性能です。
静岡の次世代基準なんかもう時代遅れですから比べても意味がない。寒冷地の北海道で考えると、
屋根の熱抵抗値:北海道6.6 この家6.15(93%)
内壁の熱抵抗値:北海道3.3 の家3.08(93%)
ここだけでは北海道の基準に行ってませんが、熱は、窓からの方がずっと逃げるので、家、全体で見ると、旧基準のQ値(低い方がよい)では、
北海道での熱損失係数:北海道1.6 この家1.45(勝った!)静岡の基準2.7
新基準のUA値(同じく低い方がよい)で見てみると、
北海道での外皮熱貫流率:北海道0.46 この家0.63 静岡0.87
新基準だと、「東北並み」とは言えても、「北海道の基準」とは言えませんね。
ま、数値にこだわって、窓をちっちゃくしちゃったら本末転倒ですしね(負け惜しみじゃないぞ…!)。
最後に一階の床。
床・壁・屋根直下の天井まで、28~30℃と、ほぼ均一。
数字にこだわるつもりはないのですが、『断熱性を上げると外の熱が伝わってきにくい』
これは『事実』です。
実際、この様な暑い日でも、工事中の、勿論冷房のない現場でさえ、「お?効いてるねぃ!」というくらい、涼しい(冷房じゃないから、暑くない、の方が正しいですね)。
冬、暖かい家は、夏も涼しいのです。
もちろん、深い軒や庇による、日射遮蔽は大前提ですけど。
2015年07月16日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。