中古住宅を購入してリフォームの是非 1
見学会の告知で新築住宅の現場ばかり書いておりましたが、マクスは「リフォーム」などと言う言葉が無い頃から地元でリフォームをさせていただいて参りましたので、ちゃーんとリフォーム現場も動いております。
本日と明日は、そんな現場風景です。
現在平成27年。
つまり築25年を超えていても平成に建てられた物件ですから、中古の性能もそこそこ。
家を新しく建てるよりも少ない予算で、中古物件を購入してリフォーム・リノベーション、というのが一つの流行です。
これは、国も空き屋対策も含めて中古流通に力を入れているのも大きいです。
新耐震基準になって三十数年経つわけですから、ある意味、ほとんどの中古物件は新しい耐震基準の家、ということになります。
…?
ホント?
正しくは、15年前に建築基準法が大幅に改正され、接合部の金物が大きく強化されたため、これ以前の建物では、施工者の技術力や良心によって、大きく家の性能が違います。
本日はそんなお話。
こちらお風呂。
浴室のリフォーム工事はマクスでは沢山やらせていただいてますので、その経験上、このお宅はかなりしっかりとした施工がされていたと言えます。
全く腐りもシロアリ被害もない。
築年数から見ると、
こんな現場もごく普通なんですけど。
高基礎と土台の注入処理が効いてますね。
もちろん、施工時の丁寧な防水処理も、です。
一方こちらはリビング。
計算上、赤い部分の柱に、強い「引き抜け力」が働くことが分かっているのですが、当時は、まだそういう検討がどんぶり勘定だったんで、赤い柱に引き抜け防止金物が付いていません。
これは、今回の工事でしっかり施工します。
そして問題は水色の矢印の柱。
あらあら、引き抜け防止金物(ホールダウン金物)の設置位置を、柱の左右で間違えたのですね。
柱の右側は掃き出し窓でサッシと干渉するので、柱の左に付けなければならないのですが、施工時に気付いてもどうにも出来なかったので、とりあえず邪魔にならないようにクネッと曲げてお終い。
これは、残念賞です。
地震に耐える、筋違の端部は、金物でしっかり固定されていますが、
エアコンを設置する際に、肝心の筋違を切ってしまったんですね。
これでは地震の時に役に立ちません。
こちらは、金物が無い。
釘だけで留まっていますが、これも、地震の時には外れてしまいます。
筋交いの配置もイマイチ…。
ただそれは、現在のようなパソコンによる計算ソフトもない時代(どんぶり勘定時代)ですから、責めては可愛そうかも…。
ですが、上の写真、床の合板が梁から浮いているのが分かると思います。
これは、転がし根太という施工法。
現在はあまりありませんが、昔はほとんどこれ。
これだと、床の強度が低く、壁の筋違の強度を建物全体に伝達できません。
これら問題点を、予算も加味しながら、どこまで丈夫に出来るのか、が中古物件のリフォームの鍵です。
写真を見てお分かりいただけるように、解体してみないと分からない、これが最大のネックですね。
間違っても、耐震性を考慮せずに、柱をやたらと引っこ抜いて、
「なんてことでしょう!こんなに素敵に生まれ変わりました!」
はやってはいけません。
日曜日の勉強会は、新築だけでなく、リフォームやリノベーションをお考えの方にも、必ずお役に立つ内容です。是非ご参加下さいませ。
2015年03月18日
Post by 株式会社 macs
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。