リフォームとリノベーションの違い
富士市で、築約40年の木造住宅のリノベーション開始しました。
解体工事が終了、骨組みだけになりました。
そもそも、リノベーションとは…?
リノベーションとは、「住環境を大きく替える工事…?」みたいな曖昧な説明が多く、特にリフォーム専門業者は、
大がかりなリフォーム=リノベーション
と定義しているようです。
が、それは全然違うと思います。
マクスが考えるリノベーションとは、「耐震性」「断熱性」「湿度コントロールなどの室内空気環境」を、新築当時よりも大幅に向上させ、現在の基準で見ても高品質なレベルにすること。
と考えております。
言葉では難しいので、工事の進捗に合わせて、ブログでその都度ご紹介して参ります。
本日はこちら。
解体した全景では良く分かりませんが、アップしてみると、
①
まず、地震に耐える筋交(すじかい)が、釘一本又は二本で止まっているだけです。
当時は筋交の固定方法に厳格な基準も検査も無かったので、これはごく一般的な施工法でした。
ですが、これでは地震の時には、びっくりするほど簡単に外れてしまうことが分かっています。
②
柱が固定されていない。
仮に地震の時に筋交が外れなかった場合、今度は柱に引き抜き力(引っこ抜けようとする力)が働きます。
その際に、やはり釘で簡単に留めてあるだけではダメなので、現在は、場所毎に引き抜き力を計算してそれに見合う金物を付けることになっています。
③
筋交と柱が頑丈に付いていても、それが取り付く土台が、基礎にしっかり固定されていなければなりません。
現在の基準ですと、この写真のアングルでは五ヶ所くらいは少なくともボルトで基礎と土台が固定されているはずですが、一ヶ所も固定されていません。
最低でもこの位置にはボルトがないと、土台ごと外れる危険性大です。
これらを全て対応するには、ここまで解体しなければ無理なわけです。
この写真は、この現場を担当する社員大工の丸山が、基礎のコンクリートの中に鉄筋が入っていないかを調べているところです。
築年数から考えて、有れば超ラッキー!と思っていましたが、やっぱり入っていませんでした。
コンクリートは堅いですが、引っ張られる力にはもの凄く弱いです。
だから引っ張りに強い「鉄筋」を中に入れます。
コンクリートは、施工後に硬化する際、どうしても収縮しますので、クラックと呼ばれるひび割れが入ります。
上記がそのクラックですが、?は、周りの土や木部を取ってあげれば、キックでも折れるでしょう。
?は人通口の角で、既に繋がってさえいないでしょう。
耐震性を考えると、基礎の大幅な補強が必要です。
ですから、ここまで解体しなければなりません。
構造にも問題はあります。
お風呂があった場所。
昔のお風呂は構造上湿気が抜けなかったので、風呂周りの土台が腐っていることは、全く珍しいことではありません。
むしろ普通です。
こちらは、お風呂ではなく、外周部。
腐りとシロアリですね。
建物の角の耐力壁の根元がこの状態ですと、この部分の耐震性は、ほぼゼロです。
これら問題点を、全ーー部、解決して行くのがリノベーションです。
大がかりなリフォームとは違うことがお分かりいただけると思います。
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※雨のため日付変更しました。
2014年06月27日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。