OBさん宅訪問会・最終回 マンションと戸建ての光熱費
昨日の続きです。
全5回シリーズで、OBさん宅でのデータ測定結果をご紹介させていただいて来ました。
本日は最終回です。
昨日までは、「次世代パッシブソーラー・そよ風」のデータと、電気の明細での、エコな暮らし方の考察でした。
お施主様のご協力で、こちらのお宅に引っ越す前、賃貸マンションに住んでいらっしゃる時のデータもいただくことができたので、現在の一戸建て受託との比較をして、エコについて考えてみましょう。
現在はオール電化ですが、賃貸マンションに住んでいらっしゃるときは、給湯と暖房は都市ガスでした。
グラフは、昨日同様、電気と都市ガスそれぞれを一次エネルギーに換算し、月毎にその合計を棒グラフにしています。
(赤が都市ガス)
昨日の、年間の一次エネルギー使用量と比べてみましょう。
あれ?
昨日、エネルギー半減だ!エコだ!と喜んだのに、引越前の賃貸マンション時代の時の方が、ずっと少ないエネルギーで生活していたことになります。
これは、マンションは、一軒家に比べて容積が少なく、また隣家に囲まれているために外気に接している部分が、窓側と玄関側の二面しかないため、熱のロスが圧倒的に少なく、暖房に必要なエネルギーが少なくて済むためです。
では、エネルギーを、光熱費という面から見て比べてみましょう。
まずは、現在の一軒家の一年分の光熱費(オール電化なので電気代のみ)。
こうなりました。
一年分の合計は、13万7、762円。
対して、賃貸マンション時代の光熱費は?
こうなりました。
一年分の電気と都市ガスの光熱費の合計は、24万3,514円。
10万円以上、今の方が安い!!!
つまり、こういうことです。
決してガス屋さんを虐めるわけではないのですが、この結果は、都市ガスの値段の高さと、オール電化のエコキュートのランニングコストの少なさから来ています。
戸建て住宅の方が、一次エネルギーで見ると、地球環境的には負荷が多く(45%マンション時代より多い)ても、
光熱費で見ると、現在のオール電化の戸建て住宅になってからの方が随分安い(43%減)のです。
ただし、ヒートポンプであるエコキュートの性能がいかに良くても、オール電化は、深夜電力あってこそです。
そして、その深夜電力は、需要の少ない夜間でも出力を落とすことが出来ない原子力発電所の増加の正当性を持たせるために、世に出現した電気体型と言っても過言ではありません。
何が本当にエコか?
そう考えるとき、
エネルギーを作り出す云々より、
そもそも少ないエネルギーで暮らせる、
の方がエコだと思いますが、
今後の原発の在り方も踏まえ、実に考えさせられる結果だと思います。
これから家づくりを考えていらっしゃる方のご参考になれば幸いです。
ご協力いただきましたお施主様、誠に誠に有り難うございました。
2013年02月22日
Post by 鈴木 克彦
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。