構造計算では接合部も一箇所ごと検討
本日は、函南町での上棟現場から、お施主様も分からなかったであろう、
「その場にいないと見れない部分」
をご紹介させていただきます。
上の写真で、大工達が入れようとしているのは、長さ6mの梁。
梁はみんな天竜杉。
よく見ると、通し柱と繋がる部分は、右と左で違います。
右は【ホゾさし】と言って、梁の端部をオス、通し柱の方にメスの加工をして接合します。
さし入てからボルトで固定します。
左は金物工法で、柱に取り付けたスリット状の金物に梁を落とし込み、梁に開けた穴(指差す部分)からドリフトピンという鉄のピンを打ち込んで固定します。
こちらを見ると、やっぱり右と左で接合部の仕様が違いますね。
どういうことかと言うと、
【構造計算で、全ての接合部ごとに、必要な耐力を求め、それに見合う接合方法にしている】
ということです。
梁と梁、
土台と柱、
柱と梁、
と言った構造の主要部分は勿論、
柱とスジカイ、
桁と垂木、
こういった部分も、一箇所ごと全てです。
逆に!
「木造住宅は構造計算書を提出しなくてもいいよ」
という悪法(4号特例)があるため、こういった部分は
「一切検討されないまま家が建てられちゃう」
という恐ろしい現実があります。
「耐震等級3相当!」
なんて、全然構造計算じゃないですからね。
かならず来る東海地震。
静岡で家を建てるなら、構造計算は必須です。
と、固いお話だけでは面白くないので…
先程の写真で、
この指差す部分、通し柱に対して4方向から大小の梁がささります。
ボルトで固定するのはこんな感じ。
内部で引っ張り合っています。
ん?
このボルト、どうやって入れるかわかりますか?
見えても良い部分は「羽子板ボルト」ですが、羽子板がじゃまになったり、ボルトを見せたくない部分は、内部にボルトを仕込んで引き合います。
先にボルトをさしておくんですね。
そうすると、この様に、内部にボルトが入ります。
上からこんな道具を使って締め込みます。
こういう締め方を「サクラボルト」と大工は呼びますが、
本当のサクラボルトは、造作材を引っ張り合う時に、その金物を見せないために、内部にこの様にボルトを仕込みます。
昔はこんな便利な工具がなかったので、締めるナットがマイナスドライバー等で引っ掛けて叩いて回せるように、断面がサクラ型だったので、こう呼ばれるようになりました(多分)。
2021年06月29日
Post by 株式会社 macs
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