造成地の地盤調査
富士市・富士宮市は、富士山の溶岩もあり、比較的固い地盤の所が多いです。
軟弱地盤を心配するよりもむしろ、工事によって岩盤が出て、それに悩まされることの方が多いくらい。
しかし、ここ数件の造成された分譲地での新築工事では、地盤調査の結果が「NG」続き。
毎回の様に地盤補強工事をしています。
ボツになっている現場は、擁壁を設けてそこに盛り土をしている土地が多い。
擁壁を作った工事の後に、埋め戻すわけですが、
・掘ったときに出たゴロゴロした石を埋め戻しちゃったり
・そうでなくても、ただ土を入れただけで、転圧が不足していたり
と言う理由で、このままでは家が建てられない(建てたら不動沈下を起こす)という結果が、地盤調査から出されることが多いわけです。
いずれにしても、地盤調査は必須。
というわけで、SS式地盤調査。
重りを付け、先が矢じり状の鉄のロッドをグリグリねじ込み、土地の状況を調べます。
この土地は、こんな具合で高い擁壁があり、地盤が弱いと、地盤補強工事も高額になること必至です。
それは、私たちも地盤調査会社の人間も、百も承知。
「柔らかいとまずいな…」
と不安に思いながら調査を開始すると、ごく浅い深さで、すぐに堅くてロッドが入っていかない層に当たる…。
これは、「ガラ」と呼ぶ、石(や最悪コンクリ廃材)を適当に埋め戻したのではないか?
と地盤調査会社の人間は、まっさきにそれを疑います。
それだけ、その様な現場をいくつも見てきている証拠でしょう。
写真は、そんな「ガラ」を無理矢理突き破ってから、その下の層を調べようと、機械の振動ドリルの力を借りて掘り進もうとしている所です。
「造成地の埋め立て地盤がこんなに堅いはずはない…」
そう言いながら、建物を計画している地点以外にも測定をしたものの、結果は同じ。
地盤調査会社の人間は小首をかしげて調査を終えたのですが、分譲業者に図面を見せてもらい、納得しました。
擁壁の工事の際の図面と共に、現場写真が几帳面に保存してありました。
深い擁壁に30cm刻みの目盛りをあてがい、30cm埋め戻しをしては振動ローラーで転圧する、というのを繰り返しながら盛り土をしているのが分かります。
これだけきちんとして有れば、新しい造成地だけれども、地盤がしっかりと締まっているのも納得ですね。
これが本来の工事法ではありますが、売っちゃえば終わり、とばかりに、出来ていない現場が多いのですよね…。
どんな工事でも、後からそれを見た人に、
「いい仕事してますねー」
と言われるような仕事をしなければいけませんね。
2013年06月24日
Post by 鈴木 克彦
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生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。