モイスの施工
本日は、来週末の土曜日に構造見学会をさせていただく注文住宅の現場からお伝えします。
「雨の合間を縫って、何とか一日で終わらせたい!」
という作業がありまして、先日私も丸一日、現場に駆り出されて大工と一緒にある作業をしてまいりました。
頑張って、雨の養生のためにブルーシートで覆われていた朝の状態(左)から、淡いブルーのシートが施工された夕方の状態(右)に変わりました。
あまり色的には変化ないんですが(笑)、右は、幅3mあるアメリカ製で耐久性抜群の「透湿防水シート」でぐるっとラッピングされているので、もう雨が降っても大丈夫です。
なぜさっさとこのシートを施工しなかったかと言うと、外壁下地で耐力壁のための面材でもある「モイス」の釘打ち施工が終わっていなかったからです。
その釘打ちを、私と大工とで行っておりました。
通常、このモイスには、外周部10cm間隔、中通り(中間の間柱)20cm間隔で【N50という釘】で打つと2.7倍の強度ですよ、と印刷されています。
印刷された『・』だけを打っていけば10cmピッチになります。
でも、外周部7.5cm間隔、中通り(中間の間柱)15cm間隔で【CN50という釘】で打つと3.8倍の強度ですよ、という施工法もあるのです。
構造計算では、この、より強度が出る3.8倍で計算しているので、75ミリ間隔になるように、マジックで一枚づつ印をつけて、施工しています。
(さらに、端に打つと割れるのでより内側に打つというのが社内ルール)
これがその【CN】釘。
N釘より少し太い。
もともとツーバイフォー用の釘で、ツーバイフォーは、釘の打ち方を後から確認できるように、釘の種類ごと色分けされているんですね。
例えばCN90なら紫色、とか。
さらに、この釘打ちですけど、ただ種類とピッチだけ守ればいいわけではないのです。
打ち込み深さが大事。
釘は、空気圧による専用の鉄砲で打つのでロール状です。
空気圧が足りないと浮いてしまうし、強すぎるとめり込んでしまいます。
白い部分がモイスだとすると、当然、釘が浮いていては強度は出ません。
でも、めり込みすぎると、これも強度が出ない。
地震の時に割れて面材が取れてしまいます。
パンチングシアと言う現象です。
ほら、マニュアルにも書いてあります。
実際、この1ミリ以上はNGってかなりシビア。
だけど、決まりは決まり。
わざと空気圧を下げて、釘の頭を浮かし気味にして、一本づつ釘の頭を玄翁(げんのう:金槌のこと)で叩いて、平らに仕上げます。
だから、一日やると、腕がパンパンになります。
これらを知った上で最初の写真を見ると、けっこうしっかり施工してるよね、って分かっていただけるかと(笑)。
こんなふうに、現場には現場の苦労がいっぱいなのです。
ぜひ、見に来ていただいたいなと、構造見学会のお知らせです。
2018年10月04日
Post by 株式会社 macs
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