OBさん宅訪問会・その3 真夏の温度測定結果
昨日の続きです。
全5回シリーズで、OBさん宅でのデータ測定結果をご紹介させていただきます。
このお宅に搭載している「次世代パッシブソーラー・そよ風」のデータは、メモリーで回収して、「そよカルク」なるソフトで解析が出来ます。
昨日の冬と逆。
昨年の一番暑い時期、7/21から8/20までの一ヶ月間のデータです。
細かすぎて良く分かりませんが、昨日の冒頭のグラフ同様、他の日と明らかに動きが違う日は、雨又は曇りの日です(7/27、8/12、8/13など)。
お日様が出てくれないと、パッシブソーラーは役に立ちません。
で、今回も、一番暑い日の7/29を見てみましょう。
昨日同様、縦軸は温度です。
グラフはそれぞれ、
赤:屋根(棟)の温度
緑:屋根から採り入れた空気を床下に送るダクト内の空気温度
青:室温(このお宅の場合は納戸)
橙:外気温
黒:そよ風の挙動
を示します。
【1】を見て下さい。
真夏の強烈な太陽で、屋根は75℃まで上がっています。
80℃とか、85℃とかを越えてしまうと、下地やシステムそのものがイカレてしまうので、一安心です。
【2】を見て下さい。
この様な、火傷をするような暑い屋根ですが、そよ風の機械的な挙動を示す一番下の黒いラインが、屋根が暑い時間帯(6時から午後3時半)に、少し上がっています。
これは、屋根のファンが稼働し、屋根の熱を、屋根の上で排気していることを示します。
いわば、屋根をせっせと冷ましているわけです。
おかげで、室内に暑い熱が伝わって来にくくなります。
【3】を見て下さい。
実は夏はこれ以外にも、素敵な働きをしてくれます。
夜の9時を過ぎると、朝の6時まで、下の黒い線が、縦軸の9のところまで上がっています。
これは、温度ではなく、機械的な挙動。
そよ風システムが、涼風取り込みをしていることを示しています。
その証拠に、夜の9時ころ、屋根から採り入れた空気を床下に送るダクト内の空気温度を示す緑のラインが、28℃から25℃くらいまで、ガクッと落ちています。
冷房のせいではありません。
こちらのお宅では、来客寺にどうしても、といったとき、具体的には昨年の場合、数回程度しかエアコンは使わなかったとのことです。
これは、屋根で放射冷却が起こったためで、オレンジの外気温より(自然に)下がった涼しい空気を床下に送っていることを示しています。
放射冷却というと、朝、車のボンネットやフロントガラスが結露で濡れているアレ。
つまり、屋根で放射冷却が起こると、温度が低いだけでなく、結露した=除湿された涼しい空気が得られるわけです。
素晴らしいですね!
【4】を見て下さい。
上記の涼しい空気は、翌朝までずっと床下のベタ基礎に送られ続けます。
外気温より常に3,4℃低い、しかも湿度が低い空気です。
【5】を見て下さい。
昨日の冬と同じく、外気温が一番低い、涼しい時間が明け方4時頃なのに対し、室温(無冷房室の納戸の室温)は、気温がグングン上がっている朝の9時頃まで下がり続けます。
昨日のブログの『蓄熱性能』と同様、『蓄冷性能』がある、と言えます。
【蓄熱(冷)性能】により、
・温度変化のラインは、よりなだらかになり、
・同時に右側(つまり時間的に後)に、
スライドし、建物が、暖まりにくく、冷めにくくなる、と昨日ご紹介させていただきました。
夏にもこれが言えます。
無冷房室の納戸は、外気温が40℃になる、一番暑いこの日も、一日を通し、27から28℃で安定しています。
なかなか良い結果です。
では、光熱費はどうなのでしょうか?
これで光熱費が高ければ、エアコン付けっぱなしの家と変わりませんからね。
明日に続きます。
2013年02月20日
Post by 鈴木 克彦
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