金継ぎもどきの練習
本日より七十二候は、清明の次候で【鴻雁北:こうがんかえる(又は「きたす」)】。
冬の間日本で過ごした雁が、北のシベリアに帰る頃、という意味だそうです。
富士市でコロナが初めて出たのが昨年の今頃。
コロナも早くどこかにいなくなってほしいですね…。
コロナの巣ごもりで、家時間を楽しむ方が増えたことが影響してか、ネットで「金継ぎもどき」の投稿を見かけましたので、面白そうだからやってみることにしました。
本物の金継ぎとは、割れた陶磁器を漆で接着して、金粉で仕上げる伝統技法で、金繕い(きんつくろい)とも言うそうです。
割れてしまってはいるけど、伝統技法で修復された金継ぎはそれ自体に新たな価値があり、文化財になっているものも。
そんな伝統技法は一朝一夕には無理ですが、現代のアイテムを使って簡単に出来るのが「金継ぎもどき」です。
あ、正式名称だはありません。勝手にそう書いただけ。
なぜ金継ぎもどき…というと、8年前に子どもたちと行って買った、思い出のONE PIECEのマグカップにヒビが入り、今にも割れそうなので、まずは金継ぎの練習なのです。
割れて捨てられる予定だった磁器で練習。
これをボンドでくっつけるのですが、普通のボンドではだめ。
1.水に強く、
2.耐久性があり、
3.有害物質が溶け出したりしない安全性を有す
ボンドが必要。
それが、
こちらの、アメリカ製木工用ボンド「フランクリンタイトボンドⅢ」。
「水性」で「木工用」なのに、上記の【水に強く】【耐久性があり】【有害物質が溶け出したりしない安全性を有す】というボンドなのです。
ノズルを引っ張ると出てくる形状。
水溶性なので使いやすい。
ただし、普通のボンドと違うのは、くっつける「両面」にボンドを塗り、その後「約8分間ガマン」してからくっつけます。
この8分は気温によっても違うでしょうから厳密じゃないですが、少し待つことで、ボンドの粘性と接着力が出ますので、すぐにくっつけちゃ絶対に駄目。
やって分かりましたが、はみ出すくらいが丁度いい。
盛り上がった部分を金塗装したほうが本物っぽいからです。
はみ出した部分は簡単に取れますから、まずは接着に専念。
8分待つことで粘着性が出て、グニュッとくっつけることが出来ますが、やはり重みでじわじわずれますので、セロテープの併用がオススメ。
こんな欠けてパーツがない部分には…
このボンドを盛ってあげました。
(ダレ注意です)
そして一日放置。
固まりかけの時に、はみ出した分を取った方が楽かもですが、完全に固まるまでは、力を入れるとずれる危険があるので、私は一日放置してからカッターとヤスリで削りました。
そして、金塗装。
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こちらの、フランス製の水性アクリル絵の具「ペベオのポーセレン150」を使います。
先程のボンド同様、【水に強く】【耐久性があり】【有害物質が溶け出したりしない安全性を有す】という水性絵の具です。
細筆で割れ目を塗るのですが、先程書いた通り、ボンドがはみ出しているくらいじゃないと、割れた部分が溝になっていて、その溝の線はアクリル絵の具を二度塗りしても消えませんから、「ボンドがはみ出るくらいが良いと思う」というのはそういう意味です。
そして、金色に塗ったら、よぉーーーーく、乾かす。
私は直射日光で4日ほど。
その理由は、この絵の具の裏の注意書きを見るとわかります。
はぃこれ、仕上げにオーブンレンジで焼成することで、絵の具が色落ちしたり溶けたり剥がれたりしなくなるのです。
150℃の設定で35分。
予熱は無し。35分後も蓋開けちゃだめ。
これは、急激な温度の変化で陶磁器が割れないためです。
なので、先程の「焼く前に数日間じっくり乾かす」というのも、少しでも水分が残っていると、それが気化する際に膨張して爆発的に陶磁器を破壊してしまうからです。
ヘルシオのスイッチオン!
翌朝ヘルシオから取り出しましたが、見た目や質感は、ほぼ変化なし。
練習はまずまず成功ですが、ネットでホンモノの金継ぎの画像を見ると、金の部分が細くて繊細。
この練習作は明らかに太すぎて偽物感プンプンですね。
ちなみに水を入れてみたところ…
割れていなかったけどヒビが入っていた部分から水漏れがじわじわと発生。
落として割れたものは、ヒビが無いか、よぉーっくチェックしないとだめです。
金継ぎもどき自体には、水漏れありませんでした。
さて、次回はいよいよ大事な思い出のマグカップでの本番です。
まだ割れてないけど、割れたら…。
文:鈴木 克彦
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工務店のマクスから、家づくりの情報とは違った切り口で、「住まいと暮らしの視点」からローカルで旬な話題を発信してゆこうと思っておりますワン。
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