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ビオブログ

韮山反射炉

本日より季節は変わり、二十四節気は【芒種(ぼうしゅ)】。
「芒」は稲の穂先の針のようなとんがりを指し、稲や麦などの穂の出る植物の種をまく時期、という意味だそうです。

本日から七十二候は、芒種の初候で【蟷螂生(かまきりしょうず)】。
文字通り、カマキリが生まれる頃、の意味。

もうすぐ梅雨ですね。

 

先日、伊豆の国市の韮山反射炉に行ってきました。

百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録へ、ということですが、韮山反射炉は10年前に世界遺産に登録されていますね。

反射炉が何なのかも知らずに行きましたが、
反射炉前に必ず経由するガイダンスセンターで、
わかりやすく映像で解説してくれます。

私なりにかんたんにまとめると、ペリーが来航した時代に、
軍事力強化の為、大砲を造るために製造された炉です。


 ↑大砲のレプリカです。



韮山に造ったのは、秘密裏に製造したいので山奥がよかった、
(最初は下田予定で基礎まで造っていたけれど、ペリーの水兵に怪しまれて急遽変更した)
緩やかな傾斜と川の動力が製造に欠かせない、
製造者の代官江川氏が韮山出身で頻繁にチェックできたから、だそうです。

15分おきに流れる映像解説が終わるころ、
タイミングよくガイドボランティアのおじいさんが登場。
反射炉を解説してくださるということで、ついていきました。

15メートルもの高さの塔(煙突というべき?)です。
レンガの周りを鉄骨で補強してあるのは耐震の為に昭和の時代に後付けしたもので、
本来はレンガの周りを漆喰で塗り固めた白い塔だったそうです。
製造には約3年半かかったそうです。

 

溶かす為の鋳物を左の穴から投入し、右の穴から燃料の石炭を入れて燃やします。
鋳物は炎の真上に設置しません。
炉の天井はドーム状になっていて、炎の熱が反射して1点に集まる場所が
鋳物投入場になるように設計されているそうです。
熱を反射する原理を生かしているから、「反射炉」なのだそうです。
夜に点火をはじめて、一晩中燃やし続けたそうです。


炉の床は緩やかな傾斜になっていて、
溶かされた鉄が次の工程場へ流れていきます。

溶けた鉄は、専用の土管でコンクリで四角く囲まれた場所へ移動しました。
当時、四角の部分は深く掘られ、そのなかに大砲の型枠がセットされていて、
溶けた鉄を少しずつ流し固めて、大砲の型が出来たそうです。

当時の型枠は中が空洞になっておらず、電柱のようなものだったそうです。
それでは肝心の大砲の玉がこめられません。
そこで、キリで少しずつ穴を空け広げて、大砲の形にしたそうです。
キリは固定させて、大砲の方をグルグルグルグル回転させたそうです。
人の力ではとても無理なので、隣を流れる川を利用して、
水車の力で24時間ずっと回していたそうです。

鉄を溶かすのは1晩ですが、大砲に穴を空ける作業は1カ月かかったそうです。
大砲ひとつ製造するのに、すごく時間がかかりますね。

 

山口県にも反射炉があるそうですが、今現存している反射炉のなかで
実際に稼働していたのは韮山反射炉だけだそうです。
韮山反射炉が稼働していたのはたった7年だそうです。
兵器製造の役目が終わってから何百年も経つのに綺麗な状態にあるのは、
後世に残したいという人々の想いと、耐震補強など技術の進歩によるものですね。

戦争も兵器もあってほしくないものですが、
その時代時代においての最新技術が込められた建造物は
不思議と美しく感じます。


反射炉の周りを彩る植物も、植物テーマパーク並みに美しいです。
世界遺産登録の韮山反射炉、是非訪れてみてください。

 

文:ゆき

2019年06月06日

Post by 佐藤 祐希

カテゴリー:ビオブログ, 地域のこと

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