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ビオブログ

富士市鷹岡地区の産業と歴史建造物-2

本日より、季節は小雪の次候。
朔風払葉:きたかぜこのはをはらう】

朔風は北風。
北風は吹かないですが、寒くなってきましたね。

そんな寒い中、街歩きにでかけた、前回のまち歩きツアーの続きです。

再度ご紹介しますと、私、わかめことインテリアコーディネーターの酒井が個人的に所属しています、富士建築士会が後援する
「富士市鷹岡地区 産業と歴史建造物に触れるまち歩きツアー」
で開催された、「駿河の国の芸術祭 富士の山ビエンナーレ」の地域連携プロジェクトの一部です。

今回は、なぜ、鷹岡に産業が生まれ、発展したのかの地形編です。

鷹岡商店街を抜け、アールデコ様式の深沢邸を見て、潤井川に出ました。そこには溶岩の岩場が荒々しくむき出しになり、豊富な水が流れる龍厳淵(りゅうがんぶち)が現れます。

 Wikipediaより

ここには伝説があり、立願淵とも呼ばれています。

昔むかし、婚礼の支度に100人分のお膳やお椀を用意しなければならないのに、揃えられず困っていた奉公の男がこの川のたもとで一休みしていたところ、疲れきって眠ってしまいました。

すると、夢の中に白いひげのおじいさんが現れ、
「我は龍厳淵の主である。おまえは正直者だから願いをかなえてやろう。あすの朝6時に大岩の上に立ち願い事を言え。返す時は必ず数を揃えて納めよ」と。

夢から覚め、朝になり願い事を唱えました「お椀とお膳を貸して下さい」と大声で叫ぶと、水面にお膳とお椀がぽかりぽかりと浮かび上がったそうです。

その後めでたく婚礼が終わり、数を揃えて淵に返しました。

そのことがあってから、村人は集まりごとのある時は龍厳淵の主からお膳を借りていたそうで、その頃からこの淵のことを「立願淵」と呼ぶようになりました。

ある時、隣村で葬儀があり、お膳が足りないのでこの淵でお膳を借りたそうですが、返す時に数が1つ足りないことに気付きましたが、多分わからないだろうとそのまま返すと、淵の水が急に大きな渦を巻いたので、使いの者は青くなって逃げ帰りました。

それからは、村人がいくらお願いをしても、淵の主はお膳やお椀を貸してくれなくなりましたとさ。

私も子供ながらにこの淵を見ると、荒々しさに恐怖を覚えておりました。
でも、ここ、実は富士市の桜の名所なんです。最近では桜の季節になると実家によって犬を連れ、一緒に桜を見るのが年に1回の楽しみなんです。



話はそれましたが、ここでは、立願淵にかけて、みんなで願い事を書いた紙を川に流しました。
紙といっても水に溶ける紙で、流したとたん溶けてしまいました。
「健康!」の願い、叶いますように…。

 

さて、この潤井川が今回の産業とのつながりになくてはならないものです。それは水力発電。前回お話しした潤井川第3発電所以外に第2発電所もまだ健在です。
潤井川を上流に向かうと王子エフテックスのレンガ倉庫のある辺りから、入山瀬渓谷があります。


↑レンガ倉庫と入山瀬渓谷 Google Earthより。

入山瀬渓谷の上端にヤスヶ淵がありここには、県内でも屈指のポットホール、甌穴ともいう(河床の岩盤にできる円筒形の穴。岩のくぼみや割れ目に小石が入り込み、回転して深く削られたもの)が大小いくつかあり、パワースポットとして、話題になったそうです。


↑ちょっと怖いけどマイナスイオン!


地元に住んでいた私にとって、今回の探検は、地形の持つ力をうまく使った先人への尊敬と、新たな発見、そしてノスタルジー。

昔鷹岡という町は、この潤井川の豊富な水により、産業が栄え、水田を潤し農業を支えてきました。
それに比例するように鷹岡に人が集まり、それは活気と賑わいのある町でした。

しかしながら、高度経済成長が終わり、バブル景気が去った後、そこに残ったのはかつての栄華は無く、鷹岡商店街はシャッターだらけの寂しい町になってしまいました。
今や子供の頃に遊んだ場所も道になり、分譲地となり、景色も変わってしまいました。
ほんとに寂しいです。


最後は、なつかしい入山瀬駅の脇にある通称SL公園、鷹岡でこいち文庫にて、差し入れの大学芋(鷹岡商店街にあるいもやいも蔵)をみんなで頂き(めちゃうま!)、解散しました。

地元の文化に触れ、ちょっと物知りになったわかめでした。

2018年11月27日

Post by 株式会社 macs

カテゴリー:ビオブログ, 地域のこと

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びお 株式会社マクス 取締犬

住まいマガジン「びお」の、静岡地方版ざます。
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