カキの生食用と加熱用
台風通過の月曜日。
本日から二十四節気は霜降(そうこう)。
七十二候は、霜始降(しもはじめてふる)。
文字通り、だんだん寒くなってきて、霜がおり始める頃ですよ、ってことですね。
昔は霜は、雨や雪のように、空から降ってくるものだと考えられていたので、おりる、ではなく、ふる、なんですね。
そろそろ冬がやってきます。
事務所の薪ストーブも今年初着火です。
さて、本日のお題は、寒くなると牡蠣鍋なんかいいですね~ってことで、カキで行ってみましょう。
今回も沼津市場へ。
写真は帰る時の一枚で、明るくなっていますが、この時期、到着時は真っ暗。
ネタのためとはいえ、寒いし、眠いし…。
なんて愚痴も、美味しそうなカキを見ると、食いしん坊の私は忘れてしまいます(笑)。
こちらはむき身。
ところで、カキの、「生食用」と、「加熱用」の違い、ってご存知ですか?
殻付きが生食用で、むき身が加熱調理用、ではありませんよ。
そして、「鮮度の違い」でもありません。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、生食用は、オゾンなどで殺菌よりされた、濾過循環(閉鎖系)の海水で、一定期間、絶食飼育されたものを言います。
ですので、カキ本来の旨味は、栄養分が蓄積されたままの加熱調理用の方が高いので、食べ比べたら、きっと加熱調理用の方が美味しいと思います。
でも、加熱用を生で食べたら、大当たり!の危険性!
えらい目にあいますからやめましょうね。
以前、イワシの回で、青物にあたる=ヒスタミン中毒、が主であると書きましたが、カキの場合は大腸菌などの雑菌によります。
赤貝・ホッキ貝・ホタテ貝・カラス貝…寿司ネタに貝は数あれど、なぜ、カキばかり「あたる」イメージがあるのか?
カキって雑菌の塊で汚いのか?
いえいえ、そんなことはありません。
カキは、岩にビチッとくっついて一生を暮らします。
自分から餌場に移動しないので、周りの海水を一生懸命濾過して、餌(プランクトン)を捕食します。
大量の海水を濾過するので、他の貝に比べて海水そのものの汚れの影響を受けやすいのです。
ゲリラ豪雨や今回の台風のように、一度に大量の雨が降ると、都市の下水道は処理能力を簡単にオーバーし、大量の雨水とともに海に希釈排水されます。
なので、三陸のように森も川もキレイな海や、広島のように豊富な潮の流れがあるところの「養殖物」しか、安全に食べることが出来ません。
カキそのものは、日本全国の河口の岩場や港の岸壁にいくらでもくっついています。
これがまさしく天然物。
でも、栄養が少なく小さいですし、生活排水の雑菌の影響を受けるので食べるのは危険。
だから、基本的にカキは養殖物しか食用としては売っていないのです。
最初に書いたように、生食用と加熱用は、鮮度の違いではありません。
驚くべきことに、冒頭のむき身の加熱用カキ、死んでませんよ、ちゃんと生きてます(本当)。
というわけで、加熱用は雑菌がいる危険性があるので、ちゃんと加熱調理。
カキフライ、旨いですよねぇ!
先程も書いたように、カキは一生を固着生活で送るので、移動用の筋肉はなく、筋肉は、ほぼ貝柱のみで、重量では身の9割以上が内蔵。
私たちが美味しい美味しいと食べているのは、カキの内蔵です。
ホタテの内蔵は身の半分以下(半分は筋肉)、ハマグリは6割強が内蔵、と比べるとカキは非常に内蔵が多い。
栄養豊富で味わい深いのはこのためです。
生食用は、絶食させられて痩せているとは言え、その旨味は、言うまでもなく…。
生にレモンを絞って…。
たまりません(笑)。
写真がややピンぼけで、カキナイフにピントが合ってしまっています。
右手で箸を持ちながら左手で写真を撮っているので(笑)。
カキナイフ、というのがあるくらい、カキはピタッと殻を閉じることが出来ます。
だから、乾燥にも強く、海から上げても、内臓の豊富なグリコーゲンを分解しながらエネルギー代謝をするので、陸上で一週間くらいは平気です。
もちろん、食品の安全性とは別の話ですが。
他の貝よりも圧倒的に腐りにくいです。
焼いて食べるなら、冷蔵庫で数日は全然大丈夫。
というわけで、焼きましょう!
やっぱり七輪のほうが雰囲気出ます(笑)。
実際、遠赤外線効果で美味しく焼けます。
焼けたかなぁ…?
ハフハフ言いながら食べる焼きカキも最高です!
お鍋もいいけど、皆さんも七輪で焼きカキ、いかがですか?
文:鈴木
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住まいマガジン「びお」の、静岡地方版ざます。
工務店のマクスから、家づくりの情報とは違った切り口で、「住まいと暮らしの視点」からローカルで旬な話題を発信してゆこうと思っておりますワン。
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