- 2010.02.26 金曜日
- 二日間、加盟している『町の工務店ネット』の勉強会で、森里海連環学実践塾として、香川に行って参りました。
前回の実践塾では、森の勉強で「智頭の慶長杉」を見てきましたが、今回は「里」の勉強です。
讃岐平野の美しい風景です。
さて、上記二枚に、他の建物とはちょっと違う建物が映っているのがお分かり頂けるでしょうか?
一枚目は中央よりちょっと左、二枚目はほぼ中央です。
これは…
ベーハ小屋と呼ばれる建物です。
ベーハとは、「米葉」からきており、アメリカの葉たばこの乾燥小屋として建てられたものだそうです。
煙草の乾燥小屋は日本各地にあったようで、地方によって呼び名も違うそうです。
ですが、香川ほど高密度でこの小屋が残っている所はなく、讃岐平野の一つの原風景として、ひっそりと、それでいてどこか凛として佇んでいる姿は、とても美しいのでした。
最大の特徴は、越屋根(こしやね)。
屋根の上にもう一つ屋根があるような形、これが越屋根です。
越屋根自体はベーハ小屋の専売特許ではありませんが、煙草の葉の乾燥をさせるための一つの装置としての越し屋根です。
韓国のオンドルの様な方式で輻射熱で乾燥させるため、その効率を追求し、無駄なものは省き、まさに必要から生まれたフォルム、『素形』の美しさがそこにはありました。
今回のホスト工務店として案内をして下さったのが、香川屈指の菅組さん。
菅社長自ら色々お話ししていただきました。
そんな凄い会社の代表でありながら、この温厚なお人柄。
やっぱ本当の大人物はキャンキャン吠えたり、キバ剥いてガルルル…とかじゃないんだなぁ〜と、そっちの方が勉強になったりして…。
(菅社長のベーハ小屋に関する寄稿文:讃岐の風景としてのベーハ小屋)
さて、そんな菅組さんの建てたお宅も見学させていただきました。
お施主さんの実家には、このベーハ小屋があり、そのフォルムをご自身の新しい家に活かしのだそうです。
内部はこんな感じ。
写真からもOMソーラーの家の暖かさが伝わって来ますね。
早速その越屋根の部分に…
これなら、夏はこの窓を開ければ、煙突効果で熱い空気はどんどん出て行き、室内に外部の外の空気を呼び込み、自然に空気の流れが出来ますね。
住む人の思いを形にするってこういう事なんでしょうね。
勉強になりました。
菅社長様、菅組の皆様、有り難うございました。
おまけにもう一枚。
バスから撮った一枚です。
建物の二重の屋根の間に、青い部分があるの分かりますか?
拡大。
漆喰壁の一部をこの様に青く仕上げる、この地方の特徴の一つだそうです。
末永く、この家を火災から守り、この家が家族を守る様に、
そんな「思い」が込められているのでしょう。
家作りには「思い」がとっても大切…
改めて感じました。
それはまた、とっても難しいこと。
でも、
奇抜なデザインや流行の○○風デザイン、それが解ではない、私はそれだけは確信しています。
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Comments
コメント有り難うございます。
「富士山」周辺にもベーハ小屋があるかも!?
考えもしませんでしたが、ひょっとするとひょっとしますね。
ベーハモードで運転してみます。
発見したら直ちにご報告いたします。
ベーハ小屋の紹介もありがとうございます。ベーハ小屋研究会の代表としてお礼申し上げます。静岡にもきっとありますよ、探してみてくださいね。報告お待ちしてます・・・。