- 2009.09.09 水曜日
- ごく一部の方に楽しみにしていただいている、私のミニ建物探訪シリーズ。
今回は、先週行ってきた岩手県遠野市での勉強会での様子を、三回シリーズでご紹介したいと思います。
北国の厳しい自然から生まれた岩手の民家として、全国に知られる「南部曲り家」があります。
母屋と馬屋が一体となったL字型の住宅を言いますが、曲がり屋のご紹介は後半に回し、本日は、研修をしてきた場所をご紹介します。
ローカル電車とバスに揺られてやって来たのは、「Queen's Meadow Country House」。
クィーンズメドウ・カントリーハウス(QMCH)の馬付住宅(馬100頭)プロジェクト
と言うタイトルで、現代版曲り家(馬付住宅)を核とした地域再生プロジェクトとして、新領域デザイン部門でグッドデザイン賞も受賞しています。
新しい農的発想に基づいた「住宅・生産・観光」事業の展開により、遠野馬文化復興、環境再生、地域経済の新基盤構築を目指すという主旨で、建築誌を始めとするメディアにも取り上げられていたので、楽しみに行って来ました。
美しい建物ですね~っ。
ロケーションが良いから美しいのか…
設計が良いから美しいのか…
材料が良いから美しいのか…
答はその全部。
全部良いんだから美しくないはずがないです。
遠野地方には、30年程前、2000戸の馬農家と、4000頭の馬がいたそうですが、たった20年で60戸75頭まで激減し、現在ではさらに限界集落ばかりという状況だそうです。
そんな中、この馬付き住宅プロジェクトでは、新タイプの馬生産、有機農業、宿泊事業を通し、環境再生や、地域再生を支える仕組みを構築するのが目的なんだそうです。
ですから、この建物は、半分が馬小屋。
世界一美しいとも言われるオーストリーのハフリンガー種を飼育しています。
おとなしくて、毛並みが美しく、超ラブリ~っ!
さて、建物探訪なので肝心の建物にうつりましょう。
この建物は、以前のミニ建物探訪でもご紹介した、住宅作家として有名な永田昌民先生の設計。
中央にお掛けになっていらっしゃるのが永田先生。
永田先生の設計らしく、天井が低いものの、その低さを全く感じさせない、すっきりとしたデザイン。
こちらの寝室のロフト部分では、6尺(約1.8m)位しかないんですけど、とっても落ち着いた雰囲気。
このスケール感は残念ながらブログではお伝えできないんですけど…。
でもどうでしょう。
このカラマツのボード&バテンスタイルの板張りの外壁。
この何とも言えない味わいは伝わるのでは…。
こちらは私が宿泊した本館の部屋。
化粧のラーチ合板をオイル系の塗料で白く塗ってあり、これもなかなかの雰囲気でした。
本館のリビングダイニングの機能を持つ「ドマリウム」と銘打たれた空間。
一般に、ホテルなどの商業施設で、吹き抜けになっていて、上部がガラスの空間を、アトリウムと呼ぶことが多い(元はローマの邸宅にあった屋根付き公開空地)のですが、そんな開放的なアトリウム的な土間の空間、と言う意味なのだと思います。
外から土足で入れるので、農作業の途中でも気軽に入ってくつろげますね。
土間には、田畑の開墾で出た石を利用しているそうです。
まだ残暑の静岡ですが、ここでは朝夕は中央の暖炉が活躍しておりました。
…
と、これだけだと何だか遊びに行っただけのようなブログですが、ちゃんとお勉強もしてきましたので、明日ご報告いたします。
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Comments
そうそう、宿泊したところで良かったのは、建物だけでなく料理!
オーナーは脱サラしてここで自然に囲まれながら、有機野菜にも取り組んでおられ、何かとっても健康的な料理でした。
マスタードでいただくサラダ&三陸の旬サンマの刺身!
いやぁ~っ美味しかったなぁ~っ。
いいですねー。(行きたかった~。)
6尺のロフトを体感したかったです。
宿泊されたホテルも良かったようで......
そのレポートをもう少しお願いできませんか?
勉強内容も含めて、
7回!くらいお願いします。(笑)
本当に。
こちらこそ有り難うございました。
今度じっくりベーハ小屋とうどんのお話しをお聞かせ下さい(笑)。
また宜しくお願いいたします。
なかなか非日常的な2日間でしたが、仕事に生かしていきたいですね。またよろしくお願いします・・・