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ビオブログ

梼原町の隈研吾建築

本日から七十二候は、春分の末候で【雷乃発声:かみなりすなわちこえをはっす】。

春本番、恵みの雨を呼ぶ雷が鳴りはじめる頃という意味。
季節の変わり目で大気が不安定で、初夏のような陽気かと思えばまさかの雪がちらついたり…。

そんな春の一日、高知県は「雲の上の町」と呼ばれる梼原町(ゆすはら町)にて、オリンピックスタジアム(新国立競技場)で注目の建築家、隈研吾氏の建築を楽しんできました。

ザハ案のゴタゴタから、日本国民全員が注目することになった新国立競技場の設計コンペ。
話題が建築ですが、オリンピックとも絡むので、こちらの「びお静岡東部版」でご紹介です。

隈研吾氏は、ポストモダニズムの建築を手がけていましたが、M2での酷評やバブル崩壊後の不遇の時代を経て、「負ける建築」として現在は木材を中心とする和の素材を意識した建築が有名です。

その分岐点となったのが、まさにここ梼原町での仕事だったというのは、隈研吾氏を特集するTV番組などでも必ず取り上げられる逸話です。

ということで、さっそく。

雲の上のホテル&レストラン。

屋根が雲。水盤の上に浮かぶ。という感じ。
こちらでコーヒーブレイク。

そしてそのホテルから、上の写真右側の温泉施設へと進む通路?
つ、通路???

どーん!
さすが隈研吾ぉぉぉ!

こちらは、雲の上のギャラリー。
と言っても、ギャラリーの部分は小さく、殆どが渡り廊下。
上の写真の部分、その渡り廊下を支える部分。
発想がすごすぎ(笑)。

その渡り廊下はこんな感じ。
窓は全て、木製サッシのヘーベシーベ。
なんとも残念なのは、ガラスが汚れきっている…。
窓掃除、しましょう…。

次。
まちの駅「ゆすはら」。

写真だとよく分からないかもれしれませんが、壁の凸凹、これ、茅葺屋根の「茅」です。

内部は、梼原町の特産物販売所兼、宿泊施設。
レジのお姉さまにお聞きしたところ、この茅の束は、ルーバー状になっていて、なんと動くんだそうです。
(でも、動いて開いたところを見たことがないんだとか…笑)

次。
梼原町総合庁舎。

うーん、かっこいいデザインですねぇ~。

内部はドーン。
大断面集成材による大空間の吹抜け。
でも、パッシブソーラー的な考え方で設計されていて、快適そうでした。

最後は、ネットにも乗っていなかった謎の建物。
「あれは隈研吾か否か?」
と建築仲間の同乗者達と揉めましたが、私は「くま」派。

聞いてみると、正解っ!
教育委員会の方が内部を少し見せてくださったのですが、
「お~!」
という感じで素敵です。
「まだアップしないでね」とのことでしたので、内部の写真は自主規制です。

 

とかく箱物行政と批判される公共建築ですが、4千人を切っている人口の町で、これだけの規模の建築群をもつことは、補助金があったとしても、大変なことだと思います。

ですが、メインの通りの電柱地中化など、「まちづくり」に対する思いが伝わってきます。

前述の、まちの駅「ゆすはら」は、『梼原町の特産物販売所兼、宿泊施設』と書きました。

建築に対する村人の思いが書かれた木札が飾れれていましたが、災害の際の町民の避難施設となるとともに、Uターン・Jターン・Iターンの若者の宿泊体験を促進して町の活性化をはかりたい、とありました。

そんな志があったからこそ、この様なまちづくりが出来たのでしょうね。
建築好きな方には、たまらない街ですぞぉ…。

一昨日の日経新聞にも出ていましたが、5/6の連休明けまで、東京ステーションギャラリーにて、
「くまのもの 隈研吾とささやく物質、語る物質」
という企画展が開催中です。
私も是非行ってみたいと思っております。

文:鈴木

2018年03月31日

Post by 株式会社 macs

カテゴリー:ビオブログ, 地域のこと

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