富士市の水の旅-3/3
会社は明後日の月曜日からですが、こちら、びお静岡東部版はひと足早く、2019年最初のアップでございます。
最初の「びお静岡東部版」は、インテリアコーディネーターの私、ワカメこと酒井が務めさせていただきます。
というわけで、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、本日より二十四節気は小寒。
「寒の入り」と言われ、これから更に寒さが厳しきなる頃、ですね。
七十二候の小寒の初項は【芹乃栄:せりすなわちさかう】。
植物のセリが、冷たい水辺で生え始める頃、の意味。
水辺ということで、水のお話。
わかめの「富士川水の旅探検ツアー」その3は、富士川の水力発電で不要になった水の再利用から。
日本軽金属で使用した水を海に流さず、綺麗に浄水して使われているって、富士市民の一体何割が知っているんでしょうか?もちろん私は知りませんでした。
富士川河川敷の西岸に静岡県のマークの付いた塔があります。
私はしょっちゅうこの側を通っていて、何の施設なのかも知らなかったのですが、富士川に架かる水道橋くらいは知っています。でも、その施設と水道橋が繋がっていたなんて。
では、具体的にお話しします。
富士川を下ってきた水は、砂や泥がたくさん混ざっています。
これを機械で分離させ綺麗になった水は、静岡市と富士市の工業用水として供給しています。
ここが静岡県企業局の東駿河湾工業用水道富士川浄水場と呼ばれるところです(昭和46年完工)。
塔に…
登ってみます!
富士山と新幹線!
そして浄水場。
こちらは、川の水の砂や泥が沈殿して残ったもの。
この土この後どうなると思いますか?
汚れているとはいえ、元々山から削られたもので、園芸用としても使うことが出来るそうですが、実際は悲しいかな、産業廃棄物なんだそうです。
話は前後しますが、富士川の水は
こんな機械や
いくつもの大きなプールを通って
薬品も入れて(硫酸アルミニウム・ポリ塩化アルミニウム)
ここまできれいになりました
(写真左がbefore、右がafter)!
これはあと少し薬剤を足せば、飲めるレベルなんだそうです。
この後は、前記の通り、工業用水として静岡市などに送られます。
これで終了と思いきや、じゃあ、富士川に架かるあの水道橋は何なのか?
実は、日本軽金属で不要になった水はまだまだあるんです。
この余った水を富士市側に送るのが、あの水道橋。
やっとキターーーー!本日のメインイベント。
ここを歩きます。
この水道橋は、一つのアーチが104m、このアーチが10個あって、全部で1.4kmです。
さて、前回も登場の「たっくん」は命綱をつけて
いよいよ出発です!
下から見るとなかなかの迫力。
ヘルメットを被り、普段はフェンスで入れない入り口の急な階段を登り、
キターーーー!
塔は一番高いところで、15m水面からは約25m。
グレーチングの足場、下を見たらあかーん!
水道管越しの富士山!直径2.2mの太い管。
前半に見た静岡県マークの入った塔は、この管の中でウォーターハンマーが起きて管が潰れてしまわないためのものなんですって。
ウォーターハンマーとは、水道の蛇口を急に止めると、配管からゴン!と音がする現象のことで、瞬間的な圧力差が配管の奥の水と蛇口との間に生じ、振動を起こすために起きる現象のこと。
ここでは、この圧力差により、こんなに丈夫そうな管でも潰れてしまうんだから、怖い。
水道橋のアーチは10スパンあって、この接合部が上下このようなエキスパンションジョイントで繋がっていたのは、建築士として興味深かったです。
たっくんのお父さんいい笑顔。
ここまでで、すでに日が傾きだし、橋の全部を渡るわけにはいかないので、3スパンを歩き、戻りました。
この後、訪問先はもう一つあって(みんなもうすでにぐったり)、この水道橋を渡った水はどこに行くのか、の目的地へ。
そこは、マクスを少し下った、高台の富士市厚原の浄水場。
こちらも東駿河湾工業用水道の一部で、先ほどと同じ浄水機能使って富士市内の工業企業へ水を送るための施設。
先ほどの水道橋から10kmほど、距離が離れています。
そこまで、どのように水は運ばれているのか?
この大きな管(私が小さすぎるわけではないですよ…)により運ばれ、綺麗になった水が、富士市内道路の下を縦横無尽に埋められたこの管により、各企業に運ばれています。
なぜ、ここは橋から10kmも離れたところにあるのか?
富士市の工場は、ほぼ、ここより低いところにあり、綺麗になった水はこの管をポンプを使わず流れていくことが出来るからなんだそうですよ。
わかめの水の旅三部作、いかがでしたでしょうか?
ふー、この一連の流れを勉強し、日は完全に沈み、やっとこさのゴールでございました。
こんなコアな話を、飽きずに最後まで読んでいただきありがとうございました。
ちょっとした雑学王になれた気がしたわかめでございました。
文:酒井
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住まいマガジン「びお」の、静岡地方版ざます。
工務店のマクスから、家づくりの情報とは違った切り口で、「住まいと暮らしの視点」からローカルで旬な話題を発信してゆこうと思っておりますワン。
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