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ビオブログ

富士市民大学講座~ロケットの飛ぶ仕組み~

 本日から七十二候の季節は、小満の次候「紅花栄-べにばなさかう―」紅花が盛んに咲くころだそうです。

 紅花といえば「おもひでぽろぽろ」の紅花摘みを連想しますね。紅花摘みの娘たちが棘に刺された血で、黄色の紅花が赤く染まった…という場面はちょっと怖くて覚えています。
 今は産業が発達して、周り畑ばかりの田舎暮らしの私でも、肉体労働でも早朝出勤でもない、デスクワークの職に就けて一安心です。産業の発展に感謝です。

 

 先日、現代の科学技術について学ぼう、というコンセプトの市民大学講座を受講してきました。受講生はシルバーの方がほとんどで、80歳以上の方が33人中3人もいらっしゃいました。お年寄りは日が暮れたら寝る、と勝手に決めつけていましたが、失礼でしたね。いくつになっても新しい知識を学ぼうという姿勢は素晴らしいです。

 『ロケットの飛ぶ仕組み』というテーマで、静岡理工科大学理工学部機械工学科の増田和三教授が講師をして下さりました。難しい言葉並べて難解なお話されたらどうしようかと不安になりましたが、図解資料や実験動画を交えてわかりやすく、面白くお話して下さりました。大人でなく、理科の授業が好きな中高生が受講した方がいいかもしれません。

 

 受講してみて私なりに解釈した『ロケットの飛ぶ仕組み』をまとめてみました。

・空気や摩擦のない世界では一度力を加えた物体は一定速度で動き続ける(慣性の法則)

・重力の下では飛ぶ物体の軌道は放物線を描く(ボールを投げる軌道が山なりになるあの軌道)

・つまり打ち上げの初動だけ人工的な動力で飛ばせば、あとは慣性飛行で飛ぶ(ロケットの下部エンジンを途中で切り離しても飛びつづける)

・飛ぶ物体そのものには回転運動がかかるので、それを人工的に制御してあげればきれいに飛ぶ(傾きを検知したらすぐ元の姿勢に戻す最新制御システムがロケットに搭載されている)

・放物線軌道は、初動打ち上げの水平速度が大きいほど、地上に到達する距離が延びる。

・人工衛星の水平速度秒速約8キロも少しずつ地球に向かって落ちているのだけれど、地球は丸いので、落ちた距離と地平線の傾きが等しくなり、結果地上から一定距離を保ったまま地球を周回できる。

 最後のお話、【人工衛星や宇宙ステーションは落ち続けている】ということには本当に驚きました。私は宇宙空間が無重力だから、人工衛星は地球に落ちてくる力が働かなくなって地球の周りを回り続けているのかとずっと勘違いしていました。

 講義終了後、後片付けしている増田教授をいろいろ質問攻めしてしまいました。ニュートンが導きだした水平速度秒速約8キロは、地球の引力とつり合いがとれる速度。水の入ったバケツを回したとき、遠心力が働いて水が落ちてこない原理と同じ。秒速約8キロより遅くなると地球に近づいて落ちてくるので、地球に降りる時は人工的にスピードを落とす。逆に秒速約8キロより速くなるとどんどん地球から離れ、秒速約11キロ以上のスピードになると地球から脱出できる。

 ※挿入図はすべて講義で配布された増田教授作成資料です。わかりやすいですね。

 そして一番気になった、宇宙ステーション内が無重力空間なのはなぜなのかという疑問には、宇宙ステーションは落ち続けているから、エレベーターで降りる時フワッとなるあの状態(無重力状態)が続いているから、という答えが返ってきました。

 専門知識のある人が読んだら、ちょっとそこ違うというツッコミがくるかもしれませんが、これは私のつたない解釈なので許してくださいませ。

 

 講義終了した感想は、なんというか、もう驚きの連続でした。勘違いしたまま宇宙ステーションからの中継映像を見ていた自分が恥ずかしいです。正しい知識を得られて本当に良かったと思うと同時に、子供の時知っておくべきだったと痛感しました。そしたらもうちょっと理科の授業のやる気が出ていたかもしれません。

 増田教授がこのような講座を開講するのも、水ロケットや巨大ロケット花火『龍勢』で地域の人や子供たちと実験するのも、ひとえに科学・宇宙工学をもっといろんな人に知ってもらいたい、広めたいという想いからなのですよね。やはり大きな目標を持っている人は熱いです。その想い伝わりました。感動しました。また次回受講したいです。

  文  ゆき

2018年05月26日

Post by 佐藤 祐希

カテゴリー:ビオブログ, 地域のこと

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