- 2010.05.18 火曜日
- 静岡県沼津市の新築現場です。
先週末行われた、マクスが加盟する町の工務店ネットで進める一大プロジェクト、
【現代町家】の、マクスの記念すべき第一棟目の上棟風景を、昨日に引き続き、もう少し詳しくご紹介して参ります。
ここまで組みあがってくると、全体のボリュームが把握できるようになってきます。
昨日ご紹介した、平角の通し柱に囲まれた空間は…
この、黄色い部分。
昨日ご紹介した、平角の通し柱に囲まれた空間は、
縦6m、横6m、高さもだいたい6m。
つまり、6m角の四角い箱です。
この6m角の四角が建物のメインとなる『ベース』と呼んでいます。
私たち町の工務店ネットの現代町家の特徴は、
きちっとグレーディングされた確かな木材の平角の柱と梁により、
このベースをガチッと造り、
それに組み合わさる『ゲヤ』と組み合わせて家を構成する、
と言う構造ルールに則っています。
イメージではこんな感じ。
現在の木造住宅は、一昔前の田の字型の平屋住宅から見れば、かなり複雑な進化を遂げたと言えると思います。
と同時に、【法律の煩雑化】とそれに対応させ、同時にコストを抑えるための【プレカット化】が進み、
「見かけは派手だけど構造ルールを無視した間取り」
が跋扈するようになってしまいました。
これは、法律上は問題ないけれども、構造上かなり不安定、と言う家が乱立することを示しています。
元々木造住宅は自由度が高く、梁のかけ方の工夫で、かなり無理が出来てしまう、と言う性格があるため、
間取りだけ書いて、後の構造はプレカット工場任せ、
という何ともお粗末な家造りに繋がっています。
それを、この町の工務店ネットの現代町家は、明確で頑強な、ブラックボックスのない家造りとして、チーム内での共通ルールに則ったシステムを共有することでクリアして行こうというものです。
…と、話がやや難しくなってしまったので、現場風景に戻りましょう。
これがそのベースが出来上がってきたところ。
こちらは、
応援に来ている城内現場監督と、正式に社員になって気持ち新たに頑張る丸山大工のコンビで…
どこをやっているかと言えば、
この建物で一番高い部分です。
彼らは怖くないのでしょうか…?
と、社長が人事のように言ってはいけませんね(笑)。
この部分は、
この様に、片流れの大きな登り梁を受ける、重要な部分。
ですから…
風で煽られることの無いように、がっちり金物で固定します。
こういう部分は、構造計算のさらに上を行く固定を考えるのが現場力です。
想定外の力を受けた際にも、安心出来る、構造計算や法律の、もう一歩先、そんな小さな配慮が、後で大きな差になるわけです。
ホールダウン金物くらい引っ張り力のある金物で、上下を固定しました。
これで私も安心して眠れます(笑)。
さぁ、これで屋根が出来る。
24ミリの厚合板で、床と同じ面合成を取り、
合板の耐久性を高めるために、桧で通気層を確保し、
アルミ遮熱材で、夏の暑さを防ぎ、
さらに通気荘を挟んで、杉野の地板で屋根下地を作ります。
これだけ手間をかければ、厚さ対策も、大事な大事な耐久性対策も、屋根ではバッチリです。
屋根だけで、随分手間とコストをかけましたが、こういう見えなくなるところほど大事なんですよね。
見かけの値段だけが良い家かどうかを決めるわけではないのです。
【冨嶽町家】
5/22・23(土日)
富士のふもとの大博覧会に出展します
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