- 2010.05.17 月曜日
- 静岡県沼津市の新築現場です。
先週末行われた、マクスが加盟する町の工務店ネットで進める一大プロジェクト、
【現代町家】の、マクスの記念すべき第一棟目の上棟風景を、もう少し詳しくご紹介して参ります。
構造材は今回も、強さ抜群の紀州材で、山長商店から来ました。
山での伐採から製材・検査・加工を一貫生産するその高い品質管理は、全国的に有名です。
桧の四寸角柱の年輪は、気持ちが良いくらい目が詰んでいます。
先週末も現場から生中継させていただいた、4寸×8寸の平角の通し柱です。
さて、本日は、この平角の通し柱をもう少し詳しくご説明しましょう。
まずは下記の写真をご覧下さい。
これは、ごく標準的な、4寸角の通し柱の、中間部分、つまり、二階の床を支える梁が刺さる部分です。
通し柱は、主に建物の四隅にありますから、基本的には、二方向から、胴差しと呼ばれる、二階の床を支える大きな梁が刺さります。
で、この梁が刺さる部分を、すぱっと輪切りにしてみますと…
これを断面欠損と言いますが、勿論法律上、何の問題もありません。
ですが、建物を支えるいわば背骨の腰骨の辺りがここまで削り取られているのは、あまり良い気持ちがしませんね。
ですから、下記の写真のように、通し柱を5寸とか、6寸とか、ちょっと太くしてあげると、建物に優しいですよね(そよ風の家より)。
これまでずっとご紹介してきた、ティンバーフレームも同じで、主要構造部をガチッとしてあげると、建物の頑丈さはグッと増します。
この平角通し柱も同じ考え方です。
下記の模式図を見ていただくと良くお分かりになるのではと思います。
ただの4寸の通し柱に比べ、かなり、柱のお肉が残っていますよね。
実際の接合部を見れば一目瞭然。
右端が平角の通し柱ですが、三方向から梁が刺さりますが、それでも、まだ大分断面にお肉が残っています。
もちろん…
抱きついたときの安定感が違います(笑)。
そしてもう一つ。
手前に、「り八」と番付けされた柱の頂部が見えますが、梁に刺さる部分:ほぞが、一つの柱から二つ付いているのがお分かりいただけると思います。
これにより、
建物の四隅の通し柱は、直行する二本の梁と桁を同時に支えることが出来ます。
(上の写真の場合、右上から伸びる桁と、右下から伸びる梁を、頂部で同時に受ける)
実際に上棟作業をすると、言葉では上手く言い表せませんが、とても安定しているが、作業時の揺れの少なさで実感出来ます。
これは、取りも直さず建物本体の安定感・強度の一端を表すのだと思います。
続く
【冨嶽町家】
5/22・23(土日)
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