- 2009.12.04 金曜日
- 富士市の長期優良住宅先導モデルの家です。
国から200万円の補助金が貰える【長期優良住宅先導モデル】、新基準である長期優良住宅をさらに先導して行くようなモデル、というわけですが、どこがどう先導的なのか、今回もその一部分をご紹介させていただきます。
とその前に、まずはミニ失敗より。
柱のうち、特に四隅の通し柱は地震の際に引っこ抜かれようとする大きな力が働くため、コンクリートの基礎の中から埋め込まれている、ホールダウンアンカーという金物と固定します。
このホ−ルダウンアンカーは、基礎の中に埋まっているので、コンクリートが固まってからでは位置の調整が出来ません。
無理やり曲げて付けては効果が落ちます。
でこの写真。
ちょっとずれてしまいました。
建物の角がカットされている部分で位置がちょっと変則的だったのもありますが、初歩的なミスです。
そんな時に使うのがこのクランク金物。
上下のずれを、強度を落とさずに補正して繋げる専用の金物です。
こんな金物を使わないに越したことはありませんが、ミスした際に隠してしまうのではなく、
(隠したい気持ちは良〜く分かりますが…)
ミスしなかった時と同等かそれ以上に強固にするとか、美しくするという気持ちが大切です。
と言うわけで、もちろんお施主様もご覧になっているこの場で恥ずかしながらご紹介しました。
さて、上の写真もそうですが、裏側(壁の外壁側)が白いです。
↑こんな感じ。
これは、モイス、という商品で、耐力壁用の面材、つまり地震に耐える筋交いの代わりをするものです。
通常使われる木の筋交い(すじかい)では、
断面寸法9cm×4.5cmで壁倍率2
断面寸法9cm×9cm で壁倍率3
断面寸法9cm×4.5cmをたすき掛け(ダブル)で壁倍率4
ですが、
このモイスは、2.7倍です。
もちろん、規定の釘と釘打ち寸法、そして釘のめりこみ加減をしっかりと施工しないとこの数字が出なので、監督はこの辺を良くチェックします。
おっと、監督のチェックから漏れている部分を発見。
上の写真で窓の下、白くない…、これは合板です。
窓の下は耐力壁ではありませんし、雑壁として構造計算にも入れていませんので、何も張らなくてもOKです。
この先の外壁の工事を考えると、下地が凸凹では作業しづらいので、合板を張ったのですが、凸凹を、間柱に打ち物をすることで済ますより、この方がずっと丁寧。
しかし、長期優良住宅では、【劣化の軽減措置】という性能評価の項目で最高等級の3を取る必要がありますので、シロアリさんが食べられる合板は、地上1m部分は防蟻処理をしなければならなくなります。
シロアリの薬は毒薬ですから出来るだけ使いたくない。
その点モイスは完全な無機質なので、シロアリに食べられたり腐ったりする心配は皆無です。
当然防蟻処理も不要。
4寸角の柱以外は、桧やヒバなどの腐りにくい木と認められている物でない限りは、地上1m部分は消毒する必要がありますので、写真では、間柱や窓台、筋交い(この家では使っていませんが)、外壁の通気用の下地にいたるまで、全て桧にしてシロアリ消毒を避けます。
というわけで…
モイスに取り替え完了。
本日は、やや恥ずかしかったですが、ミスを直した話で終わってしまいました。
でも、仕事はきっちりやりましょう!
この長期優良住宅先導モデルの家の、【構造見学会】を開催いたします。
駐車場がございませんので、ネットだけの完全予約制とさせていただきます。
ご興味がある方はお申し込み下さいませ。
詳細・お申込はこちらです。
↑自然素材を扱う工務店のブログが集まってます【日本ブログ村】 - 桧の家 住宅のお話し > 長期優良住宅先導モデルの家 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
いえいえ、そんなカッコイイものではございません。
やっぱりミスは0%になるように勤めなければなりませんね。
ただ完璧な被人間は居ないので、ミスをどう防ぎ、どう発見し、どう対処するかは永遠のテーマです。
『公開は予防の元』です
さすがです。失敗は成功の元。
公表するところに自信ありだね。
できるなら構造見学会参加したいね。
完成まで楽しみに拝見してます。