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四季を快適に住まう設計の工夫

タイトルはやや大げさですが、日本は明確な四季がある国ですので、それを無視した家造りは、やはり無理があります。

何故って、エアコンや床暖などでエネルギーを使って無理矢理快適には出来ても、それは長持ちしない家だからです。

だから和風だろうが洋風だろうが、日本には日本のクラッシックデザインというか、デザインの決まり事のようなものがあってしかるべきだと思っております。

その一つはやっぱり屋根。
日本には、梅雨と秋の長雨があり、やはり勾配のある屋根と深い軒は日本の家の決まり事のようなものです。

住宅密集地ではそうはいきませんが、富士市のような田舎では、デザイン重視で屋根や軒の無い陸屋根は、耐久性を犠牲にしていると言っても過言ではないと思います。

そもそも、雨がちょっと降っただけですぐに吹っかけるような窓は、住むにも辛いものがあります。

でも、自分の好きなデザインにこだわりたいというお客様の気持ちは勿論無視出来ないです。
それがこのシンプルモダンの家。

シンプルに、モダンに、となると、クラッシックやスタンダードと、ある意味逆の方向性ですから、どうしても屋根や軒が軽く考えられがち…。

s-090528 (1).jpg

でもこの家は、ご覧のように、二階のベランダの軒は、深〜く出しています。
これなら雨も心配ご無用。
雨の日の洗濯物も気になりませんね。
(その他の窓は、オーニングという開けておいても吹き込まない窓です)

もちろん、これだけ軒を深く出せば、風の影響も強く受けます。

s-090528 (4).jpg

上の写真は上棟の時の写真ですが、屋根の下地の垂木(たるき)という材料の横に、柱と同寸の補強用の垂木を抱かせています。

分かりづらいので点線で示したのが下の写真。

s-090528 (3).jpg

やっぱり見えなくなる所こそ大事なんです。


さて、屋根のお話しをもう一つ。

デザイン的に勾配が緩い、片流れの屋根で勾配が緩やか、しかも金属製の屋根なので、夏の熱をもろに受けます。

地下足袋のような底の薄いものでは、足の裏を火傷する程熱くなります。

そこで、この屋根。

s-090528 (2).jpg

この色は、ガルバリウム鋼板の素地の色。

眩しく反射していますが、さぞや熱いだろうと触ってみると…

s-090528.jpg

あ〜ら不思議。
ほのかに暖かいくらいで、全く熱くありません。
熱=熱線を反射しているからですね。


この様に、クラッシックデザインではない場合には特に、それなりの配慮をするのとしないので、耐久性も住みやすさも大きく変わってくるものだと思います。


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