- 2009.05.28 木曜日
- 昨晩、NHKのクローズアップ現代で、
『そして、ローンだけが残った〜相次ぐ住宅メーカーの破たん〜』
と題して放送されていました。
ご覧になった方も多いと思いますが、本日はその感想を。
放送の内容は下記の通り(クローズアップ現代HPより)
富士ハウス(静岡)、アーバンエステート(埼玉)など、全国で住宅
メーカーの経営破綻が相次ぎ、マイホーム建築中の人々に被害が拡大
している。
注文住宅の建築では多くの場合、建築主が多額の建築費を前払いして
いるが、建売住宅やマンションなどのように前払い金を救済する法律
が整っていない。
このため、払った金は戻らず、残されるのはローンと家の土台や骨組
み、まだ更地というケースも続出しているのだ。
幸せの象徴であり、人生最大の買い物であるマイホーム。その安心を
守る手だてを考える。
被害にあった方は、悲惨としか言いようがありません。
こんな不正義があって良いのか? 良いはずがありません。
ちなみに、今回放送された富士ハウス(株)は、静岡県で40年近く前に設立後、全国に144の展示場を構えるまでに拡大したものの、浜松駅前の巨大本社ビルに象徴される様に、大型工場建設など、過剰設備投資によって資金繰りが悪化し、負債額300億円以上で自己破産。
また、(株)アーバンエステートは、設立7年足らずの会社ながら、60年保証や派手なTVCMによって急成長するも、その宣伝広告費に足を引っ張られて資金繰りが悪化、50億円以上の負債で自己破産。
この二社に限らず、大小様々な会社が似たような経緯で倒産していて、お金を払ったのに家が出来ていないという被害者が全国に続出という内容でした。
この二社の上記の内容だけ聞けば、ただ経営が上手く行かなかっただけで、会社が倒産する時には、どの会社も何かしら原因があって経営が上手く行かなくなるですから、過剰な設備投資や宣伝広告を責めるのは意味がないことでしょう。
ただし、この二社に共通しているのは、自社の資金繰りが苦しいことを承知で、
「前払い金を多くくれれば値引きしてあげる」
と言って運転資金を集めて自転車操業を繰り返していた点が悪質と断じられています。
その通りです。
言い逃れ出来ないでしょう。
悪質すぎます。
以前、上司に、
「商売は、負けて勝つ!」
と教えられました。
お客様には負けて差し上げる、
仕事をさせていただくのだから、気持ちよく勝っていただく、
そのうえで商売が上手く行き、また次のお仕事をいただく、
それが商売に勝ったということ、と。
そもそも、お金と商品・サービスは等価交換なので、勝ち負けなどそもそも無いし、どっちがエライというものでもないはず。
だから、
「まけてよ」
と言われて大幅に値引きするのがまけるの意ではもちろんない。
いくら住宅が何百万、何千万の買い物だからと言って、何十万も何百万も値引きするということ自体、やっぱりおかしいし、変だし、何か裏がある。
それなら最初の見積もりって何?となります。
逆に、見積もりで競わせて、値切って、叩いて、サービスさせて…、
結果安くなっても、どこかでその歪みは絶対に出る。
もちろんだからといって、
「うちは、びた一文まけないよ」
これも横柄。
負けて勝つの精神じゃない。
話が逸れましたが、今回の被害者は、そう言うことではなく、先方から値引きの話を持ちかけられて過剰に前払いをさせられたのだから悪質です。
番組でも、『消費者を守る制度がないのだから、過払いしないこと』これが一番の自己防衛、だとまとめていました。
一般に、注文住宅は、
契約時1割、
着工時3割、
上棟時3割、
引渡時3割、
というのが通例です。
それを今回は、契約時に9割とかとって破産しちゃったんだから悪質です。
取引銀行は会社の経営状態を知っているはずなのに、契約者には平然とその条件でローンを付けていたのだから、グルと言われても仕方ないでしょう。
こんな事ブログで書くことではないような気がしますが、マクスでも、新築は上記支払い条件を基本とさせていただいております。
融資実行時1/3
上棟時1/3
引渡時1/3
と言う場合もありますし、もっと細かく分けることも、ローンの種類によっては割合についてご相談によることもありますが、これら条件よりも厳しい条件、つまり前倒しで頂くことをお願いしたことは、一度もありません。
リフォームでは、基本完成払い。
100万円以上の大口工事では、契約・着工時1/2、完成時1/2とか、新築のように1/3ずつに分けたりとか、ご相談の上取り決めさせていただいておりますが、リフォームでも、小口工事も含めて、やはり前倒しで頂くことをお願いしたことは、一度もありません。
もちろん、値引きやサービスを条件に先払いをお願いすることは、新築でもリフォームでも、今後も絶対にしません。
(力を入れて言う程のことでもなく当たり前なのですが…)
本日の結論として、
「決算前・サービス期間中・特別セール中・今後の値上がり…」
を理由に早期契約を迫るとか、
「余所はこんなに酷い、こんなに高い、うちはこんなに凄い、こんなに安い…」
と過剰な他者批判・自己称賛とか、
うまい話には裏がある
ということなのでしょう。
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