- 2008.11.17 月曜日
- 城内監督が非常に簡潔に(本人曰く超簡単に)、新商品の太陽熱利用給湯器についてアップしましたので、本日は責任を持ってもう少し分かりやすくご説明を致します。
昨今は、給湯器と言っても実に様々なものがあります。
宣伝に力を入れている代表選手は、何と言っても電力会社のエコキュート。
日中と深夜で電気料金の違う「時間帯別契約」を電力会社と契約し、安い深夜電力を使ってお湯を作るのですが、従来からある深夜電気温水器との違いは、深夜電気温水器が、電力でお湯を直接温める(電気ポットと同じ)のに対し、エコキュートはヒートポンプ(つまりエアコン)でお湯を作ります。
エアコンの暖房運転と同じですから、室外機が必要で、室外機からは冷たい空気が出ます。
電力会社のCMで、
「空気でお湯を沸かす」
と言っているのはこのためです。
直接お湯を温めるのではなく、ポンプの駆動に電力を使うので、効率が良く、約1の電気で3のお湯を作れます。
つまり、深夜電気温水器の約1/3の電力でお湯が作れるわけです。
これに対し、ガスや灯油の熱源機も研究・改良が加えられ、エコキュートに対抗してエコジョーズやエコフィールというものが出来ました。
今までの、いわゆるボイラーは、点火すると、
「ボォォォォ〜」
と熱い空気(約200℃)が排熱口から出て来ましたが、この排熱によって、お湯を予備的に温める、というのがこれら製品の特徴です。
排熱も、200℃から60℃程度まで下がりました。
これら給湯器に対し、お金もタダで、二酸化炭素も出さない太陽熱を利用しましょう、というのが太陽熱温水器です。
当たり前ですが、晴れてないとお湯が出来ないので、ボイラーも必要になります。
基本的には、左図のように、脱衣場などに設けたバルブを切り替える事によって、太陽熱温水器のお湯がぬるくなったらボイラーの方を使う、というのが一般的です。
ぬるいと使えないではもったいないので、バルブを使わずに、太陽熱温水器のお湯をボイラーに繋いで使う場合もあります。
但しこの場合、太陽熱温水器のお湯が熱いと、それをさらに熱してしまうため、蛇口から熱湯が出てしまうので、太陽熱温水器併用専用のボイラーを使うか、ボイラーと一緒に適温に混ぜる機械を併用します。
前置きが長くなりましたが、城内監督がご紹介した太陽熱利用給湯器は、もう一歩進んで、屋根の上の集熱パネルは不凍液を循環させて、
その不凍液をボイラーの中にも循環する事で、ボイラー内のタンク内の水を温め、ぬるい場合はボイラーで追い炊きして給湯する、
とうものです。
屋根の上では、通常の温水器と違って貯湯を行わないので、清潔感もありますね。
以上が城内監督のブログの補足です。
で、気になるお値段(年間の光熱費)なんですが…
これはあくまでメーカーのカタログからの個人的な試算なので、公的機関の発表ではありません。
なので引用出来ないように汚い手書きですみません。
やはり、光熱費ではエコキュートがダントツでお得です。
国がライフラインのインフラとして位置づけているわけですから、敵わない、と言えばそれまでかもしれません。
ただし、エコキュートも、前述したようにヒートポンプなので、寒冷地では効率はメーカーが発表している値よりかなり低下するはずです。
給湯圧が低い、
追い炊きが非常に弱い、
故障するとエライ高くつく、
夜間作ったお湯を使い切ってしまうと日中の高い電気料金でお湯を作り足さなければならない…
と言ったデメリットも知っておくべきかと思います。
話を戻しますが、グラフの一番下の「今回の…」というのが、城内監督のブログの太陽熱利用給湯器なのですが、ボイラーが通常のものなので、効率は驚くほどは良くありません。
注目は二酸化炭素の年間の排出量です。
太陽熱を使うと、その分は「エコ」と言えるのは確かなようです。
ちなみに、只今建築中の現場をご紹介している、パッシブソーラーシステムの場合、
こんなイメージです(詳しくはお尋ね下さい)。
この様に実に様々です。
最終的には、メリット・デメリットを知った上で、選択するしかなさそうですね。
週初めから、例によってダラダラ長いブログにお付き合い頂きまして有り難うございました。
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