- 2008.07.16 水曜日
- お客様への軽めのご提案があったので、ついでにブログネタに頂いちゃいました。
奥様がとにかく「洋瓦の家が夢」とのことで、んじゃぁと外観を書いてみました。
方眼紙に1/100でちょこちょこって書いたものに色を塗っただけなので、ここで発表するほどの絵でないので申し訳ないのですが、イメージが伝わればと…。
そもそも、スパニッシュデザインとは…?
日本で見られるスパニッシュデザインは、アメリカの「スペイン風折衷主義建築」の模倣です(と考えています)。
日本の住宅は、良くも悪くもアメリカ追随というか物真似というか。
多くはアメリカから伝わったデザインです。
アメリカでは、1600年〜1800年前半の入植当初は、ヨーロッパから入植したので、故郷のコロニアル様式で家が建てられました。
それから、印刷技術の発達に伴って、建築にも流行が生まれ(現代も住宅情報誌が溢れてますよね)、ロマン主義やヴィクトリア様式などの歴史主義的建築が盛んになります。
歴史主義が過去の建築様式のリヴァイバルを旨とするのに対して、1800年代後半〜1900年代に生まれた折衷主義は、複数の組み合わせのいいとこ取り、と言えます。
いいとこ取りというと節操がなく、価値が低いかというとそうではなく、現にヨーロッパの主要都市を飾っている歴史的建造物にはこの時代の建築物が多い事からも、あくまで一つの考え方だといえると思います。
で、1915〜1940年頃のこのスペイン風折衷主義建築の特徴としては、
・少なめの軒と比較的暖勾配
・赤い瓦の屋根(いわゆるスペイン瓦)
・ドアや窓の上のアーチ
・スタッコの白い壁
・サイドゲーブルやクロスゲーブルの左右非対称なファザード
といっっところ。
上が円い窓や窓回りのケースメントなどのディテールも特徴的。
とまぁ、偉そうに書きましたが、嘘を書かないように細かい部分は、私も調べて確認しながら書いてるわけでして…。
私は正直言えば、軒やケラバの深い、日本の伝統的なスタイルが、やはり日本の家には基本だという信念がありますが、洋風の○○スタイルが良い、という方に、馬鹿にしたり自分の考えを強制したりということはもちろんないのです。
でも、一番いけないのでは、なんちゃって○○風住宅。
たとえばこのスパニッシュにしても、
ローコストですと主張するような真四角のっぺりデザイン
+中国製のすぐ割れちゃいそうな安物の洋瓦
+白いサッシ
+オレンジ色の塗り壁
で、はぃ「憧れのスパニッシュデザイン」です。
と言うのはやはりいけないと思います。
日本の住宅に秩序が無くなってしまう。
きちんとした伝統的なスタイル(日本だけでなく他国のデザインでも)であれば、それは時を越えてやはり美しいのだと思います。
(風景写真壁紙よりスペイン アンダルシア)
欲を言うと、こういうのが本当の美しさでしょうね。
家はあくまで個人の所有物ですが、建物の外観は、風景の一部であり、ある意味共有のものであることがよく分かります。
(高画質壁紙写真集より)
白川郷だって、こうだからこんなに美しいし、世界遺産になれたのです。
うちの会社では無理ですが、もし自分で分譲できるなら、少なくともその区画だけは統一したいですよね(大手では増えてますが)。
折角自社で分譲しているのに全く無秩序に色んなデザインの住宅がひしめき合っているのを見ると、チンドンヤさんに見えてしまうのは私だけでしょうか…? - 桧の家 住宅のお話し | comments (0) | trackbacks (0)
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