

- 2008.06.13 金曜日
- 昨日の続きです。
引き続き、様々な角度からシックハウスの問題点を考えてみましょう。
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作る側の問題点です。
私どもマクスは、以前シックハウスに悩むお客様とのお付き合いを通して、健康住宅の板倉造りや、自然素材リフォームを手がけるようになりました。
また、私を含め現場監督と勉強会を開き、シックハウス診断士の資格も取りました。
ただし、
「私たちは新建材は一切使いません!」
とは言っていません。
本物の自然素材は、材料自体も高く、施工にも技術が要ります。
ですから、自然素材を使おうとすると、コストアップはさけられません。
新建材の均一さ・汚れにくさ・手入れのし易さ・低コスト等に美しさや価値観を感じる人も当然いらっしゃるわけで、そう言った方々に、それは間違いですと言うのは横暴だと思うわけです。
多くの方は、昨日も書いた現在のフォースターの基準でシックハウスなどの問題にはならないのも理由の一つです。
ただし、本来、法的には問題ないからという理由だけで、
「実は、中にはこういった深刻な健康へのダメージを受ける人も出る」
と言う事を、事前にお知らせする事が出来るかどうか、
これはとても重要な事だと思います。
作る側としては、知らなかった、ではすまされないし、法的に問題無いんだから文句を言われても困る、と開き直るようでは無責任だと思うのです。
もちろん、ことさらに大げさにまくし立て、自然素材を使わないとどうなっても知りませんよ!
等と耐震リフォーム詐欺のような事を言うのは論外です。
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そして、消費者の方にも話を難しくする点があります。
新築にしろリフォームにしろ、決して安い買い物ではありませんから、少しでも安くしたいというのは人情です。
先程の例で言うと、たとえその危険性を言われても、
「お金もかかるし、うちは大丈夫だから普通ので良い」
と言う方が多いのも事実ですし、先程も書いた通り、それを悪いとは思っておりません。
ここで問題なのは、今回のお客様も含めてですが、まさか自分がそんな目に遭うとは思っていない、というのが一番の難しさであり怖さです。
よくコップで例えられますが、シックハウス・化学物質過敏症と言うのは、コップに少しずつ水がたまって行く如く、少しずつ体内に蓄積されてしまうわけです。
そして、コップが一杯になるまでは何ともないのですが、一杯になってしまったら、一滴でも水が入ると溢れてしまうのです。
コップの大きさは人によって違いますが、ひとたびシックハウスになると、今まで書いてきた通り、周りの人はお医者さんを含めて、誰も自分の苦しみを分かってくれない、と言う事になってしまいます。
事実、今回のお客様も、
「今まで50年以上生きてきて、シックハウスなんて全く気にした事がなかった。
まさか自分がそんな目に遭うとは…」
と仰っていました。
本来は、行政の方で、もっとしっかりとした実態調査をし、抜本的な解決策を検討しなければいけないのだと思います。
フォースターも、決して100%安全なわけではないのですから。
また、アトピーにしろ花粉症にしろ、都会に住む人より田舎に住む人の方がかかりにくいと言われています。
だとすると、石原都知事が批判されながらも導入したように、排ガス規制や水・空気の環境規制をもっと真剣に考えるべきなのでは、と思います。
決して、全ての部屋に換気扇を付けて回しっぱなしにしましょう!
等という方法では、この問題は解決しないはずです。
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