

- 2008.06.12 木曜日
- 昨日の続きで、シックハウスに苦しむあるお客様に伺ったお話しです。
様々な角度からシックハウスの問題点を考えてみましょう。
★
まずは建材メーカー。
昨日書いた通り、今回一番の原因ではないかと疑われる某国内有名メーカーの洗面化粧台。
メーカーに話をすると、メーカーから担当者が来たそうですが、
「フォースター(☆☆☆☆)なので問題有りません。
たとえ裁判でも私たちに非はありません。」
お客様から聞いた話なので、この文面通りのニュアンスでその担当者が言ったかどうかは別にしても、誠意有る対応とは言えませんね。
そもそも、現在ではほぼ一般的となったこのフォースターという基準。
JIS製品に表示することが義務づけられており、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物質等級の最上位規格を示すマークとされています。
F☆☆☆☆と表示されている建材や内装材だけが、建築基準法によって使用量が制限されません。
このブログでも何度か書いていますが、あくまで「最上位等級」であるだけで、
「有害物質を一切発散しない」わけではありません。
「建材の中では、発生レベルが法的に最も厳しいランクに合格しています」
と言うだけです。
ですから、化学物質に敏感な人や赤ちゃん、そしてひとたびシックハウスになってしまった人にとっては、何ら安全性を担保する印では無いわけです。
そして、ここまで書くと「ひねくれ者!」と言われてしまうかも知れませんが、このフォースターの基準も、全数検査ではないわけです。
最近で言えば、不燃材の防火性能不足・ビスの強度不足・耐力面材の強度不足…、
次から次へと違うメーカーで明らかになりましたが、これらは、認定を受ける試験の時にだけ、市販するのとは別の性能の高い物で検査を受けていたという、明らかな悪意有る「偽装」でした。
(例によって現場担当者のせいになっていますが…)
このお客様は、この洗面化粧台を、
「とにかくこんな物は持って帰ってくれ」
と返してしまわれたそうですが、返さずに、有機物質の発散料を第三者機関で測定して貰おうじゃないか、と出た場合、果たして先程のように、
裁判やってもいいですよ、
みたいな強気な態度をメーカーがとったかどうか…
★
メーカーばかりを悪者にしていてはこの問題の深刻さがずれてしまいます。
実は、工務店・ハウスメーカーを含めて、工事する側にも、また工事を依頼する消費者側にも、難しい問題があります。
本日もどんどん長くなりそうなので、また明日のブログに続けさせて下さい。
- リフォームのお話 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
一番怖いのは、自分の勧める物・使おうとする物に対する、デメリットや危険性を知らないまま使ってしまう事、
無知=罪
となってしまう事だと思います。
これだけ新旧商品が入り乱れる中、これは非常に難しい事だと思います。