- 2008.01.28 月曜日
- 先週、
「来週はちゃんと仕事のことを書きます」
と宣言しましたので、書くんですが、あまりに悲しすぎる事件が起こってしまったので、一言書かせて下さい。
私は、このブログを書くに当たって、社員にも同じ事を言っているのですが、日記と言えども、会社としての公式な場であるので、政治・宗教や余所様の誹謗中傷は、書くべきではないと思っております。
でも、昨日のニュースであった、越谷の新生児置き去り事件は、あまりにも悲しすぎるので、書かずには居られません。
ニュースで見た方は、
「乳児は生後2日くらいの男児で、
身長34センチ、体重1000グラムの未熟児。
外傷はなく元気だという。
保護された時、へその緒がついたままで、
灰色のトレーナーにおむつをつけていた。」
と言う報道で、
「そんな小さい子を…」
と思われたと思うのですが、実際にどれぐらい小さいか、低体重の子供を持ったことのある親しか、正しく実感できないのではないでしょうか?
もちろん私も、経験をしなければそうだったに違いありません。
1000グラムというと、小さいだけではありません。
目・脳・肺・腸・心臓等々、まだあらゆる臓器や機能が未発達です。
通常の分娩に体力的に耐えられない場合が多いので、普通は帝王切開なのだと思います。
NICU(新生児用集中治療室)が付属する大学病院などの専門の病院で出産し、生後直ちに人工呼吸器をはじめとするあらゆる生命維持のための処置が施され、専門のスタッフが24時間態勢で見守られて始めて、やっと生きることが出来る、そんな大きさなんです。
もちろん自分でミルクなんか飲めません。
そんな赤ちゃんが、ほとんど零下の室外に放置されるなんて…。
NICUで子供を看てもらっているお母さんの多くは、
我が子を抱くことも出来ず、
ミルクをあげることも出来ず、
面会時間以外に会うことも出来ず、
保育器の小さな穴から腕を入れて、指先でそっとなでてやることしか出来ません。
悪いことをしたのではもちろん無いのに、自分を責めて悲しむ人、
祈って祈って祈って、それでも願いが届かずに我が子を見送らなければならない人、
そう言う人たちと同じ立場の人が、子供を置き去りにするしか選択肢がなかった…?
そう考えると、悔しく、悲しいです。
犯人探しや責任云々ではなく、どうしたらこういう悲しい事件を防ぐことが出来るのか、社会全体で考えて行かなければいけないのではないでしょうか?
↑ 頑張ろう・低体重出生児のお父さんお母さん! 仲間のブログを読んで元気になろう! - 低体重出生児・未熟児医療 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
捨てられた子の親の気持ちは知るよしもありませんが、同じ様な事件がもう起きないことを祈るばかりです。
こういう悲しい事件が、少しでもなくなるようにするのが、我々の責務ではないのでしょうか?