- 2012.07.20 金曜日
- 昨日の続きです。
富士宮市で工事が始まった「びおハウスM」の基礎工事の工夫をご紹介いたします。
びおハウスMの工夫+マクスの独自の工夫、どこをどう工夫したのかを、分かりやすくご説明しようと思ったら、写真がやたら増えて長くなってしまいましたが、笑って許して下さい。
では早速。
撮りたて新鮮、今朝のコンクリート打ち風景。
現場監督の城内(左)は、バイブレーター(振動で撹拌する道具)持って張り切っています。
マクスの監督は、ネクタイと革靴のような小綺麗さはありませんが、こうして職人と一緒に現場で汗をかき、的確な指示をしている証拠。
これこそ現場監督の本来の仕事、と私は思います。
さて、この基礎、完成するとこんな感じになります。
特徴は立ち上がり部分が外周にしか無い点です。
こうすることで、型枠工事を容易にし、立ち上がりとベース部分(耐圧版)を、一回の打設で済ますことが出来、強固なひとかたまりの基礎が出来ます。
内継ぎ部が無いので、シロアリの進入も防ぎます。
例えば黄色の矢印部、
型枠を見ると、
ほら、浮いてますでしょ。
浮かせ型枠と言います。
浮かせた型枠の上からコンクリートを流し込み、流れ出たコンクリートでベース部分も同時に打設して行きます。
立ち上がりが単純だからこそ出来るわけです。
立ち上がりが単純だから、ホールダウン金物やアンカーボルトの設置も単純。
打設前にしっかり鉄筋に固定。
(バイブレーターと鏝押さえを確実に施工すれば田植え式でも問題無いと思いますが、
以前動画を見た人からボロカス言われたので、これ見よがしに矢印入れてみました。)
外周部にだけ立ち上がりがあるということは、外周部の壁だけを強固な耐力壁にする、つまり頑丈な箱を作るイメージ(モノコック構造)。
もちろん、そのためには内部を含め、全体の構造も合わせた検討が必須で、そこはしっかりと許容応力度設計にて構造計算をしています。
そんな構造計算をもとに、マクスが今回工夫したのはこちら。
先ほどの完成した基礎の図。
右と左は全く同じです。
ですが、この模型をクルッとひっくり返して裏側を見てみると…
右は凸凹が無い。
つまり、こういう事です。地面を掘って、鉄筋コンクリートの基礎の下地を作る際に、基礎のベース(スラブ)の鉄筋の梁(地中梁:図中黄色)の箇所のみ、下地を掘り下げているの左に対し、右は、ベース部分全体を下まで掘って平らにしてしまっているのです。
実際の基礎を、全体から俯瞰してみると分かると思います。
地中梁部分は…、
こんな感じ。
地中梁に取り付くベース部分(スラブ)は、掘り下げて深くなった分、上下二重のダブル配筋になっているのがお分かりいただけると思います。
先ほどの図で、黄色で示した地中梁が少なくなっていますが、
少なくなった分、残す地中梁が太くなり、ベース部分(スラブ)が厚くなって、シングル配筋からダブル配筋になりました。
断面図で比べてみるとこんな感じです。
くどいようですが、これらは許容応力度設計で構造計算をして、どちらでやっても、耐震性の最高ランクの等級である耐震等級3を取れることを確認しています。
計算は、構造計算専門の、外部の構造計算の設計事務所で行っています。
構造屋さんと相談するのと同時に、協力業者の基礎の職人とも勿論話を詰めています。
計算してみると、地面を掘り下げてベースを厚くし、鉄筋をダブル配筋にすることにより、コンクリートが3割増、鉄筋量も1割以上増えますので、当然高くなると思っていましたが、手間が減る分その方が安くなることが分かりました。
「こんなに、ぶ厚くて鉄筋も多いのに…」
未だにそう思うのですが、やはりそれ以上に人件費が高いということですね。
そりゃ中国製品安いわけですよ。
どんなに良い物を作っても、それが高くなってしまえば、やはりマイナスとなる世の中。
性能が非常に高く、それでいてデザインとコストパフォーマンスもすぐれる、
びおハウスは目指しています。
【夏休み企画 2連発!!】 ※光る泥団子教室は満員御礼締め切り
- 自然室温で暮らせる家 びおハウス > 【富士宮市】 びおハウスM | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
プラン・見積もり・プレゼン・設計…
これら人件費は全てタダ!って会社が多いですけどね〜。
ま、その意味では内の会社も人件費が一番安いのが社長って事になるか(笑)。